それかというもの、お見舞いに来てくれる人が来なかった、その代わり花吐き病は何故か止んだ
まァ、最原くんだけは来てくれたけど…
それでも嬉しかったな
時計の針だけが室内に響き渡る
カチッ…カチッ…
もうそろそろ、5時になる
最原くんに5時って言おう
結局最原くんは寝るまで泣き続けた、
明日には目が霞んでると思うから、手伝ってあげる
今日は最原くんと一緒に寝ようと思う
次の朝
カーテンで仕切られた窓その隙間から光が指していた
朝起きるとボクのベットで最原くんが寝ていた
気づかなかった…
あの話をしてから思い出す、辭柧(ジク)の事で
寝ている最原くんの頭をそっと撫でた
辛そうなこともあった君だけはどうか幸せになって欲しい
数分しても起きない最原くんとは裏腹に病室のドアがガラッと開ける音がした
当然寝る時はベットの周りにあるカーテンを閉じている
誰が来ているのはボクは予想もしない事だから
その時、閉じているカーテンがゆっくりと開けていくのがわかった
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!