なんだ…、夢か…
夢でもなんでも、僕は"彼女"が夢に出てきたことだ
それで聞いた人はいい夢だと思うが
そうじゃない
これまた、悪趣味だ
"彼女"が亡くなった夢、いや言い替えると"彼女"が亡くなるのを目の前で何回も見せられる夢だ
オマケに頭痛も酷い
起きてからには遅すぎるが
人の気配がない
いや外の様子がおかしかった
カーテンレールを無理やり開けると
目の前には
"彼ら"だった
僕が見た光景は、まるで"あの夢"みたいだ
僕を守るためなのか知らないが、ドアを必死に抑えてるような感じだった
人1人ポツリと何かを言っている
僕にも聞こえた"いや、"と
何が嫌なのか、聞いてみたいなぁ
それに関しては僕の声が聞こえなくなったのか?
さっき話したのにも関わらず、誰もこちらを見ない
だったら、
その声にびくりとしたのは、日向くんだ
朝から機嫌が悪いのはいつもの事だ
妹のこまるがいたら対処してるけど
今はいなさそうだ
とうとう、自分の耳の機能が起動したみたいだ
遠くまで聞こえる
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!