花火が打ち上がった。
花火はいつ見てもとても綺麗だ...。
心からそう思う。
この花火が...終わったら私は...。
そう思った時だった。
唐突に旭が私に言ってきた。
私は驚きを隠せなかった。
私も思わず言ってしまった。
私の心ははち切れそうだった。
もしも旭の考えてる事と私の考えてる事がもしも同じだったら...などと考えていた。
そんなこと...あるはずもないのに。
2人で見る花火は本当に綺麗だった。
見えているもの。見えている景色。
旭と居るとすべて変わって見える。
暗いはずの夜の闇が花火という光に包まれている。
こんなにも夜の空が綺麗なのを私は初めて知った。
そして...。最後の大きな花火が打ち上げられた。
とても大きかった。他とは比べ物にならないくらいに。
そして...旭の口から私に伝えられた。
やっと伝えられた。私の気持ち...。
旭も伝えてくれた私への思い。
ほんとに嬉しかった。
旭も私が好きだったことを伝えると本当に嬉しそうだった。
そして旭は言った。
そして旭は私の頬にチュッっとキスをしてくれた。
本当に優しい旭らしいキスだった。
私は嬉しかった。
今...私は1番の幸せものだと思う。
私の事を愛した貴方。貴方の事を愛した私。
2人は夏の夜空に包まれながらお互いの心に寄り添った。
そして2人はその後も幸せに過ごしている。
そんな甘酸っぱい2人の青春はいつまでも消えず思い出というキャンバスにいつまでも残っていた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。