第5話

最終話 寄り添う心
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2018/07/25 13:29
花火が打ち上がった。

花火はいつ見てもとても綺麗だ...。

心からそう思う。

この花火が...終わったら私は...。

そう思った時だった。
緑野旭
なぁ。俺さお前に言いたいことあるんだ。
唐突に旭が私に言ってきた。

私は驚きを隠せなかった。

私も思わず言ってしまった。
あ...。私もね。
旭に言いたいことあるの。
緑野旭
お...おう。
んじゃこの花火が終わってから俺から言うよ。
それでいいだろ?
わ...わかった。
私の心ははち切れそうだった。

もしも旭の考えてる事と私の考えてる事がもしも同じだったら...などと考えていた。

そんなこと...あるはずもないのに。

2人で見る花火は本当に綺麗だった。

見えているもの。見えている景色。

旭と居るとすべて変わって見える。

暗いはずの夜の闇が花火という光に包まれている。

こんなにも夜の空が綺麗なのを私は初めて知った。

そして...。最後の大きな花火が打ち上げられた。

とても大きかった。他とは比べ物にならないくらいに。

そして...旭の口から私に伝えられた。
緑野旭
なぁ。お前さ中3の体育祭覚えてるか?
うん。覚えてるよ。
旭が諦めずに走って優勝したあの時...。
ほんとにあの時の旭はかっこよかったよね。
緑野旭
俺さあの時ほんとにお前が応援してくれたから頑張れたんだよ。
応援してくれたのが他の奴だったらあの時俺はたぶんあそこまで熱くなって走れなかったかもしれない。
ほんとにあん時はありがとうな。
ううん。大丈夫だよ。
私もあの時旭に優勝を勝ち取ってほしくてあんなに叫んだんだよ。
だから私もほんとにあの時旭に気持ちぶつけられてよかった。
緑野旭
それでさ...。
あの時から俺さ...。
うん。
緑野旭
お前...いや違うあなたの事好きなんだ。
うん...。え!?
ちょっと待って。
わ...私!?
緑野旭
うん。俺あなたの事好きなんだ。
他の誰でもない。あなたが好きなんだ。
俺はこれからはあなたと一緒に居たい。
だめか...?
ううん...。
私も旭の事好き。
私もそのことを伝えようとしたの。
旭...。大好きだよ。ずっと前から好きでした。
やっと伝えられた。私の気持ち...。

旭も伝えてくれた私への思い。

ほんとに嬉しかった。

旭も私が好きだったことを伝えると本当に嬉しそうだった。

そして旭は言った。
緑野旭
あなた...。
ほんとに好きだ。
これからよろしくな。俺の彼女さん。
そして旭は私の頬にチュッっとキスをしてくれた。

本当に優しい旭らしいキスだった。

私は嬉しかった。

今...私は1番の幸せものだと思う。

私の事を愛した貴方。貴方の事を愛した私。

2人は夏の夜空に包まれながらお互いの心に寄り添った。

そして2人はその後も幸せに過ごしている。

そんな甘酸っぱい2人の青春はいつまでも消えず思い出というキャンバスにいつまでも残っていた。

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