私はあれからこの気持ちをずっと隠してきたままだった。
中3から隠し続けてきたがもう私の心はずっと揺るがなかった。
旭は高校に行ってからも人気者だったし、よくいろいろな人からも告白されていたのも見たことがあった。
それをいままで全て振ってきた旭。
旭は告白した相手にはいつも申し訳なさそうに振っていた。
私も告白したいけどどうせみんなみたいに振られるんだろうな...。
今もまた校庭裏では旭が女子からの告白を受けていた。
私は2階の窓から見えるその様子を後にし自分の教室に戻った。
あいにく今日はもう放課後でクラスにはもう誰もいなかった。
やっぱり私は旭を祭りに誘うなんて事は出来ない。
旭は部活だって忙しいし、友達と遊ぶ予定だってあるはずだし。
しょうがないよね...。もう今日は帰ろう。
帰りの支度を済ませ帰る時だった。
またこんな不毛な会話しちゃったよ...。
全然こんな話するつもりじゃなかったのに...。
ダメだな...私...。
あ...。旭が帰っちゃう...。
夏祭り...。やっぱり諦めきれない。
私は思わず旭に言った。
え...。ほんとに ...。
旭が一緒にお祭りに行ってくれる。
本当に嬉しい。旭には感謝しきれないほどだった。
はやく。その日が来て欲しい。
私は恋焦がれてその日が来るのを心待ちにしていた。
そしてついのその日がやってきた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。