男子は反応薄い。
女子に至っては無視。
じょ…女子…
怖いです。
今すぐここから立ち去りたい。
そんなこと知らないよ…
胸の奥が痛い。
ピーンポーンパーンポーン
「サササッ」
↑
みんな席に戻る
私はもう耐えきれなくて。
気持ちが抑えきれなくて。
走ってカバンを持って
教室を後にした。
床には涙が零れていた。
学校を出て、
シェアハウスにも帰れない。
彼らに迷惑をかけてしまう。
今は一人でいたい
誰にも話しかけられたくない
「ザッザッ」
↑
歩く音
曇り空を見上げて
涙が溢れるのを抑えようとしても
溢れてしまって。
座り込んでいた私
顔は俯いていた。
でも、
顔を見上げた。
シェアハウスにて_。
そのクッキーは
思い出の詰まったクッキーで。
私がここに来たばっかりの頃
みんなで作ったクッキー。
隠し味があって。
色は7色で
キンプリあなたクッキーって命名した
美味しいクッキー。
今_。
海人は手を広げて
「ぎゅっと抱きしめてあげる」
って
まだまだ涙は溢れるばかり。
止まらない。
もう行きたくない。
本当にこのまま
学校へ行ったら絶対つまらないし
いじめも絶えないんだ。
「パクッ」
海人は無理やり私にクッキーを食べさせてきた
手を繋いで
家に2人で帰った。
その頃にはもう涙は止まっていて。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。