七夕。
一年に一度だけ
織姫と彦星が天の川を渡り
再開ができる日。
人々は短冊に願い事を書く
「大野くんみたいなリーダーになりたい」
「いつまでもアイドルでいたいです」
「お札にのれますように」
「エモエモアイドルになれますように」
「国民的彼氏として愛されますように」
「ティアラと一緒に
いつまでもいれますように」
いろんな願いが笹に吊るされる。
7月7日
今日退院するけど
私も院内にある笹に願い事吊るした。
「キンプリと幸せな生活が送れますように」
書き終わって帰ろうと振り向いた
「ガサガサ」
廉も何か書いてる
ちらっと見ると
「あなたと一緒に一生暮らせますように」
涙が込み上げてきて
ポロポロと出てきた。
その直後、
廉はぎゅーっと私をきつく抱きしめた。
まずは泣き止む
涙をふいて
デパートかどっかの化粧室で
しようと思った。
だけど
不信感
不安
化粧落としないって言ったし…
タクシーのおじさん
《えー2500円ですね(渋めの声)》
ブァミリーモード
っていうブァミチキが
美味しいコンビニについた
結構たった。
携帯のカメラでパシャって撮られた
画面を見してくれた。
予想を超えに超えまくった上手さで
廉を見直した。
ちゃんとチークも眉毛もアイラインも
いい感じでびっくりした。
なにかが欠けているらしい
私はそのとき分からなかった
「チュ」
一瞬の口付け。
ほっぺにもしたことない
急に口って…
でも密かに嬉しかった
廉だから?
ブァミチキは想像以上に熱かった
歩いているといつの間にか
家だった
今日は七夕みたい。
私が織姫で
キンプリが彦星で。
久しぶりに会えたからかもしれない
けど違うところがある
七夕は1年に一回しか会えない
私達はずっーと一緒にいれるもんね。
廉と私の願いが届きますように。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!