いつからだろう。
私は老いることのない身になった。
正確に言うと"なってしまった"。
老いなければもちろん、死ぬことも無い。
簡単に言えば"不老不死"。
他人が聞けば、そんな異次元でしか起こり得ないことがあるわけないと信じないであろう。
だけれど、他人ではなく本人の私は嫌でも自分の身体を認めなければいけなかった。
何故ゆえこんな体になったのか。
もしかしたら誰かの手によってこんな体になってしまったんじゃないか。
自分が今世で何か最低な行いをしたのであろうか。
といつも思考が絡まり、最後には結局
_分からない。
ということしか見つけ出せなかった。
唯一覚えていることは自分の名があなたであることだけ。
また私はなんの歪みもない日常を過ごすのかと思うとため息が出た。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。