第32話

32.
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2021/03/19 12:00



桐山side



淳太くんが濵ちゃんに調べもんを頼んでから10日が経った


言うてた通り、この10日間に濵ちゃんがホームに顔出したんは


その翌日の1度だけで


そっからは1度も音沙汰がない


淳太くんの方には連絡が来とるみたいで、


大丈夫や、って教えてくれるからとりあえず安心しとった



やけど、ここ2日連絡が取れてないみたいで



淳太くんも気がきやないし、



それに気付き始めとる他のメンバーも身構える




「なぁ、そーいえばあなたは?」



望の言葉に真っ先に反応したんは淳太くんで


周囲を見渡したかと思ったら



「おい、大吾と高橋どこ行った」



って、丈らに聞く



「あなたちゃんと少し出とる」



そんな丈の言葉に詰め寄るように



「どこや?」



そう聞いた淳太くん



「梅田の方やと思うけど」



丈の返答に



「クソっ」



そう言うと車の鍵を持って玄関のドアに手をかけた時


淳太くんが開けるより先にドアが開く


それと同時に見えたんはボロボロの濵ちゃんやった



「濵ちゃん!」



それに気づいて駆け寄った望とモンチの手を制するようにして


濵ちゃんはその場に座り込んだ



「何があった」



淳太くんの低い声が響くと同時に、


濵ちゃんの頭は床へとくっつけられた



「悪い、最悪なことになってしもた

俺1人や無理やった」



その言葉と同時に濵ちゃんに掴みかかった淳太くん



「淳太くんっ!」



俺の言葉は届くことがなくて



「どこや、どこでやられた」



淳太くんは傷だらけの濵ちゃんを揺さぶる



「梅田の露天の裏」



その言葉を聞いた淳太くんは濵ちゃんを投げ捨てるようにして走り出した



「濵ちゃんっ、」



そう駆け寄った俺に



「照史いけ、淳太のこと頼んだ」



濵ちゃんはそう言った



「モンチ、濵ちゃんのこと頼んだ

望、流星、着いてこい

しげも行くやろ?、

I、しげの援護頼む

E、おまえら俺らに着いてこい

Vは、モンチの指示に従ってくれ」




そう言い残してホームを飛び出した

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