第33話

33.
441
2021/03/21 12:46




神山side




「Vちょっと手伝って、」



勢いよく出てった照史たちを横目に、


壁に寄りかかっとる濵ちゃんの手当てをする



「琉巧、琉巧はこっちええから、

淳太の居場所突き止めて、照史たちに送ったって」


「分かりました。」



淳太や、大晴に次いでパソコン技術に長けている琉巧は


淳太にも頼りにされとるくらいの腕前の持ち主や




「痛っ、

ちょ、もうちょい優しくしてや」


「うるさいです、

こんな怪我してくる濵田くんが悪いんですよ」


「神ちゃーん」


「西村の言う通りやと思うで」


「神ちゃんまでー」


「濵田くん!動かんでください!」




西村と斗亜の二人がかりで怒られとる濵ちゃんは


さっきまであった厳格さはどこかに行ったみたいやけど、


相変わらず目の奥にはフツフツと燃えとるものが見える



「神山くん、持ってきました」


「たー、」



そう言って走ってきた風雅と彪太郎は


俺らのマイクを持ってきとって



「居らんなったと思たら」



そう愚痴っぽく言うと



「でも、行くんですよね?」



と食い気味に来た風雅



「行くけど、濵ちゃんが先や」



そう言うと少し不満気な顔をした




「神山くん、淳太くんの場所分かりました。」



カタカタとタイプの音が聞こえんくなったと思った時、


いつの間にか近くに居った琉巧がこっちに画面を見せる





画面に映し出された淳太の居場所は


俺らのよく知る場所で、



「濵ちゃん?.....なにこれ」



戸惑いながら濵ちゃんを見ると、



「そう言うことや、」



と伏し目がちにしながら、答えが返ってきた



「あの.....」



状況が読めてないVは、俺らに答えを求めるけど



「説明は後でするから、車乗って

彪太郎、風雅、濵ちゃん運ぶん手伝って」



俺より大きい濵ちゃんを立ち上がらせて車に突っ込む



「ええか、動くで」



そう言って淳太のおる場所に車を走らせた



プリ小説オーディオドラマ