桃side
常連さんの髪の毛を切ってたら聞き覚えのある声が聞こえてきた。
ほら、俺の名前を叫んでる天使がおるわ。
お客さんの髪の毛を切り終わってシャンプーとかは道枝に任した。
あ、道枝って言うのは道枝駿佑。
一年前くらいから働いてもらってる。
めっちゃ笑顔で抱き着いてくるあなた。
もう天使。
しかも前髪くくって可愛いし。
俺のことイケメン言ってくれたで。
なぁ!俺のことイケメンって!
周りのお客さんにめっちゃ見られてて笑われてる。
はずかしっ…
頭撫でられて照れてるあなたは流星に抱き着いてる。
大毅にまで頭撫でられて照れてるわ。
俺まだイケメンとしか言われてないねんけど!
そういえば崇裕の姿が無いな。
カフェのとこ戻ったんか。
よく話を聞いてくれる子やで。
あの子育てたん誰やおもてんねん。
俺やで。俺、いや俺だけちゃうけど。
あなたを見たら大きいあくびをしてる。
眠いんか。
ソファに寝かしたら目が閉じそうになるあなた。
そんなあなたに毛布を掛けた。
そう言った瞬間寝た。
俺の匂い好きなんかな?笑
寝てる姿も可愛いわ。
無意識に撮ってたあなたの寝顔。
てか、さっきのイケメンって言われたん嬉しすぎて仕事頑張れるわ。
今頃、照史が一生懸命あなたを探してるなんて俺はまだ知らんねんけどな。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。