ガチャ。
先程まで好き勝手話しまくっていた学園の生徒たちは、この瞬間のみ静寂につつまれる。
……大きなリムジンが学園の前に止まる。
生徒たちごくり、と息を呑んだ。
ギー…
リムジンの扉が開く。
中から、女の子達がゆっくりと降りてきた。
ある生徒の一声をきっかけに、生徒たちは一斉に喜びの声を上げた。
そんなむさ苦しいような俺たちを、TWICEのみんなは笑顔で迎えてくれる。
…
学園内はまさにお祭り騒ぎだ。
だけどーーー
僕はそのお祭りに馴染めず、一人遠目で立ち尽くしていた。
親友のタカシが興奮した様子で話しかけて来た。
なんだか冴えない僕が、
近づいてはいけない気がするから。
TWICEに僕なんかが、
関わってはいけない気がするから。
……
僕は自分に自信がないんだ。
おまけに、遠慮しがちな性格で。
だから。
悔しいけど。
僕はTWICEを遠目で眺めるだけで充分だ。
。
と、思ってた。
なのに。
あんなにTWICEと急接近することになるなんて……
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!