紫 MAIN
MAIN→「」
その他→『』
「今日は冷えるなぁっ、」
こんなに寒い夜は久々で、体力も、元気も、奪われていく.
今日が何日かも、何時かも分からない、
自分の存在まで分からなくなりそうで、地面に座り込む.
「今どきマッチなんて、笑」
明かりのついた暖かそうな家も、
道行く人々の話し声も、
握りしめているマッチも、
座り込んだ自分にも腹が立つ.
「ただでマッチ買えたなぁ、なんて、」
マッチを1本すった.
『今話題の高学歴ジャニーズ、_________さんです!』
『大学院を卒業して、気象予報士の資格も~』
『国宝級イケメンランキング1位の_________さんの登場です!』
『同じグループに二人も国宝級いるんでしょ!?~』
この世界は、俺が思っているよりずっと残酷だったみたいだ.
「1本じゃ、何も見せてくれへんの?」
もう使うこともないだろう.
俺は残りのマッチを全て使った.
「もっといいもの、見せてや、」
『なんでスラムダンク読まへんの!?わけわからんねんけど!?』
『読む!読むよ!』
『おれ、鬼滅の刃すすめたんやけど、すぐ読んでくれたで』
『鬼滅はすぐ入った、笑』
『なんでやねん!!』
「神ちゃん球技苦手やもんな!」
『関係ないwww』
『漫画の話してるんですよ濵田さんwww』
『さすがやな!?www』
寒さなんて消えてしまうくらい、
暖かくて、うるさくて、大好きな場所.
会いたい、行きたい、
ねぇ、
??)『濵ちゃん?』
『何してん、』
「流星、?」
目の前に立つ流星が、夢なのか現実なのか、
俺には分からない.
でも、そんなことどうでもよかった.
『はよいこ、みんな待ってるで』
「っ、おん!」
ありがとう、大好きや、
俺は空へと登って行った.
「おわぁぁっ!?ほんまに浮いた!!!」
『浮かないと困るねん笑』
『フライングでこんなに騒ぐジャニーズ初めて見たわ笑』
「みなさん!!すごいですよこれ!!」
『誰に言ってんねん』
『まだリハーサルやぞ』
『ライブで絶対にそんなことすんなよ』
「冷たない!?」
「今空飛んでるねんけど!!」
『はははw』
「濵ちゃん最高やわ!www」
なんとか1話目、終わりました.
マッチ売りの少女はどこへ、??
オチとは、??
暖かい目で見守ってください🤦♀️🤦♀️
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!