第13話

【アイナナ(+あんスタ)】天使の歌声④
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2020/06/08 08:14
岡崎事務所に所属が決まって、改めて挨拶をすることになった。

『あなたといいます。よろしくお願いします!』

百「よろしくね〜!」
千「よろしく」

おかりん「よろしくお願いしますね」

〜〜
✗百side✗

百「そう言えばさ、あなたって歌うまいよね!何かやってたの?」

『いえ···夢ノ咲でやったくらいです』

へぇ···学院でやっただけね。
それにしては、歌唱力が群を抜いて上手かった。
これは期待値高めかな?

百「へぇ。そう言えばさ、夢ノ咲学院の他の生徒より、あなたは年下だよね?」

『はい!アイドル科は他は男子生徒しかいませんし年齢も違いますけど特別入学をさせて頂いているんです』

百「そうなんだ。じゃあ、なんでアイドルをやろうと思ったの?」

特別入学までしてなりたかったアイドル···か。
それなりの理由があるのかな?

『···実は、憧れの人が、居るんです。知り合いなんですけど』

憧れの人···ね。
誰だろう。

百「そうなんだ!身内?」

『···えっ、と···前、は···身内でした』

前は···?

百「···そっか。なんか、ごめんね?」

『あ、いえ!大丈夫です!···兄、なんですけど、本当に、憧れで···』

百「へえ、お兄さんかぁ。会えるといいね!」

『はい!』

そういって笑ったあなたの顔は、まるで花が咲いたみたいで。
なんて可愛いんだろう。なんて
あの時モニターで見ていて思った感情が、もっともっと溢れてきた。

早く、お兄さんに会えるといいね。

まぁ、君のお兄さんも気になるけど。
···なんてね。

✗千side✗

モモが、新人を事務所に引き入れた。

彼女はあなた。
モモも言っていたけれど、何せ可愛い。

出てきた瞬間、はっと息を呑んだ。

輝いていた。

このステージで、きっと誰よりも。

歌い出した時、それはもう時が止まったようだった。

彼女の口から流れる、透き通り、それでいてしっかりと芯の通った優しい歌声は、僕の方へとまるで波が押し寄せるみたいに感情・風景がすっと入ってくる。

小さな唇から零れる音色は···まるで天使が天空で軽やかに口ずさんでいるようで。

どんどんと吸い込まれていくのを感じた。

吸い込まれていって、挙句の果てには呑み込まれてしまいそうで。

それでもメロディは僕を優しく包んでくれるようで。

気付けばすっかり虜になっていた。

モモもすっかり気に入ったようで、「可愛い」やら「天使!」やら言っているけど、決してそれは比喩じゃない。

僕じゃうまく例えられないけれど、本当に天使のようで。


"マイエンジェル"···なんて。


言ったらモモに浮気だって言われるかな?

まぁ、いいよね。
モモだって天使天使言ってるし···なんてね。

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