岡崎事務所に所属が決まって、改めて挨拶をすることになった。
『あなたといいます。よろしくお願いします!』
百「よろしくね〜!」
千「よろしく」
おかりん「よろしくお願いしますね」
〜〜
✗百side✗
百「そう言えばさ、あなたって歌うまいよね!何かやってたの?」
『いえ···夢ノ咲でやったくらいです』
へぇ···学院でやっただけね。
それにしては、歌唱力が群を抜いて上手かった。
これは期待値高めかな?
百「へぇ。そう言えばさ、夢ノ咲学院の他の生徒より、あなたは年下だよね?」
『はい!アイドル科は他は男子生徒しかいませんし年齢も違いますけど特別入学をさせて頂いているんです』
百「そうなんだ。じゃあ、なんでアイドルをやろうと思ったの?」
特別入学までしてなりたかったアイドル···か。
それなりの理由があるのかな?
『···実は、憧れの人が、居るんです。知り合いなんですけど』
憧れの人···ね。
誰だろう。
百「そうなんだ!身内?」
『···えっ、と···前、は···身内でした』
前は···?
百「···そっか。なんか、ごめんね?」
『あ、いえ!大丈夫です!···兄、なんですけど、本当に、憧れで···』
百「へえ、お兄さんかぁ。会えるといいね!」
『はい!』
そういって笑ったあなたの顔は、まるで花が咲いたみたいで。
なんて可愛いんだろう。なんて
あの時モニターで見ていて思った感情が、もっともっと溢れてきた。
早く、お兄さんに会えるといいね。
まぁ、君のお兄さんも気になるけど。
···なんてね。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。