第4話

期間限定でオオカミと同居!?
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2022/01/23 09:00
───いいよ、考えとく。

オオカミ先輩のあの言葉から数日。
オオカミ先輩との関係は相変わらずだ。
森川家 ママ
森川家 ママ
おかわりもあるから、
沢山食べてね?
森川 海
森川 海
うん!
お母さんの作るグラタン
ほんと美味しい〜
森川 海
森川 海
でも昨日はじゃがいもが沢山あるから
明日は肉じゃがにするって言ってたよね
森川家 ママ
森川家 ママ
食べ終わったら話そうと思ってたんだけど
実は田舎のおばあちゃんが倒れたって
今朝、連絡があってね?
森川 海
森川 海
えぇ!
森川家 ママ
森川家 ママ
心配だから
お母さん1ヶ月田舎に帰ろうと思って
”その前に、海の大好物を作ろうかなって”と優しく笑うお母さんに、だからグラタン……と納得。
森川 海
森川 海
そうだね……
おばあちゃんも元気になるまで
お母さんがいてくれたら心強いと思う
森川家 ママ
森川家 ママ
そう言ってくれて良かった!
海は、こっちに残って学校頑張ってね
森川 海
森川 海
うん、私のことなら心配しないで!
もう高校生。ある程度のことは一人で出来る。
だけど、お父さんも今、海外出張中で留守だし、家に一人だと思うとちょっと怖いな。

ううん……!
おばあちゃんの一大事だもん。頑張らなきゃ!
森川家 ママ
森川家 ママ
あ、ちなみに海は
1ヶ月間、お父さんの上司のお宅に
居候させてもらえることになってるから
森川 海
森川 海
どういうこと!?
森川家 ママ
森川家 ママ
今朝、お父さんに相談したら、
一緒に海外出張中の上司の方がぜひうち
って言ってくださったみたいでね!
その奥さんと息子さんの暮らす家に
1ヶ月お世話になることが決まったのよ〜
森川 海
森川 海
えぇ……そんな急に、
森川家 ママ
森川家 ママ
確か、息子さんは
海と同い年くらいって言ってたかしら
お母さんの話に頭の中は大混乱。
状況を全く飲み込めない私を取り残して、お母さんは"荷造りしちゃってね~"とどんどん話を進めていく。

まさかこんなことになるなんて……私、大丈夫かな?
***

───翌日のタ方。
学校から帰宅した私は、お母さんと一緒にお世話になるお家へと向かった。

お父さんの上司の奥さんと、お母さんの換拶が終わると、“何かあればすくに連絡してね”とお母さんも田舎のおばあちゃんの所へと旅立ってしまった。
内海家 ママ
内海家 ママ
いらっしゃ〜い!
さ、入って入って〜♪♪
ふんわりとした雰囲気の奇麗な奥さんにリビングへと案内されながら、洋風でオシャレなお家に圧倒される。
森川 海
森川 海
お世話になります……!
内海家 ママ
内海家 ママ
我が家だと思ってゆっくり過ごしてね?
優しそうな奥さんにホッとしたのも束の間、
内海家 ママ
内海家 ママ
あ、柊佑!
今日からうちで暮らす海ちゃん!
可愛いでしょ〜?仲良くしてね
リビングに足を踏み入れた瞬間、どこかで聞いた名前にバッと勢いよく顔を上げれば、同じく驚いたように私を見るその人。

───そういえば、お世話になるお家の名前、聞いてなかったけど……
内海 柊佑
内海 柊佑
へえ。
俺を手懐ける絶好のチャンス到来じゃん?
森川 海
森川 海
……っ!
まさか、お世話になる家って……
オオカミ先輩の家!?

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