第16話

~
97
2024/05/31 05:31
Harry side
クィレルのターバンが落ちた。

悲鳴をあげそうになったが、声が出なかった


クィレルの頭にはもう一つの顔があった。恐ろしい顔が、僕を見つめていた
ヴォルデモート
……ハリー・ポッター……
ハリー・ポッター
ヴォルデ、モート…?
この恐ろしいものが、僕の両親を殺した人物__
ヴォルデモート
貴様の事は『』から聞いていた。俺様の忠実な下僕だ
ハリー・ポッター
エドワード?
ヴォルデモート
貴様は、裏切られてるんだ。貴様の周りに、裏切り者がいるのだ
ヴォルデモート
そのお陰で、貴様の行動は把握していたのだ
裏切り者……?

僕の周りに、裏切り者が居るなんて信じられない…
ハリー・ポッター
嘘だ!そんなはずない!!
ヴォルデモート
嘘では無い。今こうして、貴様を殺すことが出来るのだからな!!!捕らえろ!!!
状況が全く把握できていない中で、クィレルが僕に向かって全速力で走り出していた
触れられる_そう思った瞬間。
クィリナス・クィレル
ぐ、ぁああ!!


な、何が起きた……?

閉じていた目を開くと、大きな朱雀スザクが宙を舞っていた


クィレルを見ると、肩から血を流して座り込んでいる

スザクがやったんだと、何となく分かった気がした
ヴォルデモート
邪魔者め!!立て!!殺すんだ!!!!
スザクの真っ赤な羽がキラキラと飛び回り、そのあとに僕の手に羽を触れてきた
ハリー・ポッター
手……?
スザクと目が合う


触って、 そう言っているように見えた



僕はふらつくクィレルの顔を


手で覆いかぶせた
クィリナス・クィレル
あぁあああ"あ"あ"!!!!
大きな雄叫びとも言える叫び声をあげ、クィレルの顔が溶けていく
ヴォルデモート
馬鹿者!何をしてる!!
もう一度両手でクィレルの顔に触れた次の瞬間。



クィレルはまた叫び、灰のように消えていった
ハリー・ポッター
う、わぁあああ!!

何とか倒したと思ったのも束の間、ヴォルデモートも魂のようなものが僕の体を通り過ぎる


薄れ行く意識の中、助けてくれたスザクと目が合った


輝く赤い羽根に翠色の瞳。


この眼、どこかで___


アルバス・ダンブルドア
目が覚めたかね?ハリー
ハリー・ポッター
先生…?
目が覚めると、そこにはダンブルドアがいた
ハリー・ポッター
先生、一体何が起こったんですか、僕に…

そう聞くと、ダンブルドアは賢者の石の事や両親の事、ハーマイオニー達の無事のことも教えてくれた

僕は丸三日も寝込んでいたらしい


とにかく、皆無事でよかった……
ハリー・ポッター
そういえば、ヴォルデモートと戦う時、大きなスザクが助けてくれたんです。あのスザクが居なかったら、僕今頃……
あのスザクは一体なんだったのだろう

どこかで、見たことがある気がする…
アルバス・ダンブルドア
気にするでない。そのスザクは、ハリー…
君の味方じゃ。

確かに、あの大きなスザクは僕を助けてくれた


でも、少し辛そうに見えたのは気のせいだろうか?
アルバス・ダンブルドア
君にはたくさんの味方がついちょる。そのスザクもその1人じゃ。それだけ、言っておこう
ハリー・ポッター
どうしてスザクが?ダンブルドア先生が送ったんですか?
アルバス・ダンブルドア
うぅん、わしでは無いが、『他の誰か』が送ったのかもな

『他の誰か』……

ロンやハーマイオニーでは無いだろうし、シェーマスやフレッドとジョージだとは考えにくい。

何しろ、賢者の石のことは誰にも言っていないのだ
アルバス・ダンブルドア
…さて、わしはここで行くとするか。君の友達も会いたがっているようじゃからな

くそ、ダンブルドアは全部知っているくせに。


僕は一日中、スザクの正体を考えることとなった

プリ小説オーディオドラマ