～風磨side～



ウチのお嬢が俺の部屋に来るなりいきなりキレだしたんだけど…
誰かどうにかしてくれ…

はぁ…めんどくせえな…せっかくゴロゴロしてたのに

で、あなたの部屋に行きエアコン付けてみたけど…

んで、エアコンの業者に電話してみたんだけど
更にあなたの機嫌が悪くなっちまった

ったく…エアコン使えないくらいで騒がしいヤツだな
ま、日中くらいは俺の部屋に居てもいいだろう





って思ってたんだけど…





＿＿＿＿

日中は俺の部屋に居て良いって言ったけど…夜は良いって言ってねえよ！

すぐ脅すの止めてくれよ…
マジで怖えんだから

さっさと俺の隣に敷かれた布団の中に入ってしまったあなた
マジで一晩同じ部屋で寝るのかよ…

部屋の明かりを消し、俺も布団の中に入った
シーンと静まり返る部屋にはエアコンの機械音だけが鳴っている

あなたはドキドキとかしねえのかな…
俺はお前が隣で寝てるってだけでこんなドキドキ心臓がうるせえのに…


しばらくすると規則正しいあなたの寝息が聞こえて来た

マジで寝たのか…？コイツ…

名を呼んでも返事は返ってこない
布団から抜け出しそっとあなたに近付くと寝顔を眺めた

俺は吸い込まれるようにその寝顔に顔を近付かせるとそっと唇を重ね合わせた


やべ…唇ってこんな柔らかいのか…
今初めて体験したキス

あなたが起きてる時じゃぜってえに出来ない


俺はもう一度、熟睡しているあなたの唇に口付けるとそのまま布団に入り込みギュッと小さな身体を抱き締めた

少しだけ…少しだけでいいから
俺にあなたを独り占めさせて…