トビラが開いた。
中から出てきたのは、眼鏡をかけた…母さんと同じくらいの人。
抱きしめられる。
優しく、でも離れられないような強さで抱きしめられる。
その体が離れた。
二人に向かって、その人は頭をさげた。
玄関に入る。
す、すごい…。広い…。
玄関に四人入っているのに、未だ余裕がある…。
さすが一軒家…。
靴を脱ぐところも、段が高い…。
俺たちは靴を脱いだ。
部屋へ三人は入っていった。
居間って、ここかな?
スーッとふすまを開ける。
…中には、誰もいない…。
とりあえず、座ることにした。
ドタドタ
足音が聞こえてきた。
とっさに正座になってしまう。
スーッ
ふすまが開いた。
たしか、制服のボタンをきっちり留めてた子…。
その子はふすまを静かに閉めた。
…数秒後、ダダダダっと沢山の足音が聞こえてきた。
スパコーン!!
!?
ふすまが思いっきり開かれる。
そこには同じ顔が五つも…。
…なんて、反応したらいいのだろう?
五人は居間に入ってくる。
…四男がいない。
てことは俺は四男?
自己紹介?
そんなの、急に言われたって…。
そう言って、ニッコリ笑った。
な、何?十四松がいきなり突っ込んで来たんだけど!
トド松が注意するが、聞く耳を持たない。
と、おそ松がチョロ松の方へ寄っていく。
なんか、緩い?
話し声が聞こえてきた。
ふすまを開ける。
見ると、二人が帰るところだった。
ガラガラ
トビラを開け、二人が帰って行った。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。