第4話

415
2019/12/06 13:26
◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈
 私達はケーキを食べ終わってから、絵を描いて遊んでいた。
叶
琴羽は絵がとても上手いですね!
琴羽
琴羽
暇なときはいつも、絵を描いていたから当たり前なのだ!私は、カナの絵も上手いと思うぞ?
叶
ふふっ、ありがとうです!
私達はしばらくの間、絵を描いて遊んでいた。
◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈
琴羽
琴羽
できたのだぁ~!
叶
私と琴羽の絵ですか?!嬉しいです!
琴羽
琴羽
じゃあ、コレはカナにあげるよ!
叶
いいんですか?!ありがとうです!
琴羽
琴羽
カナの絵は…私の絵か?
叶
はい!私もコレ、あげますね!
琴羽
琴羽
ありがとうなのだ!
絵が上手、かぁ…。お母さん以外の人には初めて言われたなぁ。嬉しい!私は、早速もらった絵を壁に釘で貼り始めた。釘を打ってると、突然カナが話し出した。
叶
私はね、実はね、病気を持っているの。
私は一旦、釘を打つ手を止めた。
琴羽
琴羽
病気…?ひどいのか…?
叶
そう。心臓の病気でね、だんだんひどくなっていってるの。
琴羽
琴羽
え?!じゃ、じゃあ、私といて平気なのか?!ダメなんじゃ、ないのか?!
叶
ふふっ、本当はダメでしょうね。
琴羽
琴羽
なら…!
叶
でもね、私、琴羽と出会うことができた。独りぼっちだった私に、友達みたいな存在ができた。それも、人間ではない、とっても珍しい人。だからね、私は琴羽と一緒にいたい。私の、初めての友達と一緒にいたいんだ…。
友達…一緒にいたい…。嬉しい。嬉しいな。こんな私と一緒にいたいって人がいるってことがわかって。
琴羽
琴羽
あっ、あれ?なんで涙が…?
叶
ふぇぇええ?!なんで泣くのぉぉおお??
琴羽
琴羽
あはは!カナ、変な顔!それに私、もしものときはあなたを向こうへ完全に飛ばすからね?!
私は村の方を指差して言った。
叶
わかってるよぉ…。てゆーか、変な顔ってひどくない?!
琴羽
琴羽
しーらない!あはは!
叶
むぅ~!!
いつも寂しそうな風が吹いていた神社に、楽しそうな笑い声が響く。とても、とても楽しそうな声。私は、思う。神様、これからもこの幸せがずっと続きますように、と…。

プリ小説オーディオドラマ