◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈
次の日。今日は術の練習をする日だ。私は用意をしながら思う。カナは来ないのかな、と。もしかしたらもう、来ないかもしれない。もしかしたらカナと会ったことは夢なのかもしれない。まぁ、とにかく練習しよっと。
私は自分の手の指先に魔力を集めた。すると…。
『ポッ!』
指先に小さな炎が出てきた。こんな小さいけどね、結構な威力あるんだよ?冬とかにとっても便利な術なの。
おっと、いけない。狐の声が出てしまった…じゃなくて!
そう言って笑うカナの手には、昨日カナが帰るときに渡した小さな花が握られていた。あぁ、そういえばこの花、一度行った所に行ける術がかかってるんだった。きっとカナは、この場所へ来たいと強く願ったのだろう。嬉しいなぁ…。
あぁ、一緒にいてくれる人がいるっていいな。こういうのを友達っていうのかな?この時間が永遠に続けばいいのに…。
◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈
しばらくして、私達は神社の中で遊ぶことにした。
叶はそう言って、手に持っていた箱の中から甘い匂いのする、美味しそうな物を取り出した。そして「はい、どーぞ!」と、言って三角型の、真っ赤な苺が乗った、『けーき』とやらを差し出してきた。私は試しに一口食べてみた。
美味しい!美味しすぎる!私はケーキを食べ終わってから思った。たまにはこうやって遊ぶのもいいな、と…。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。