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次の日。今日は術の練習をする日だ。私は用意をしながら思う。カナは来ないのかな、と。もしかしたらもう、来ないかもしれない。もしかしたらカナと会ったことは夢なのかもしれない。まぁ、とにかく練習しよっと。
私は自分の手の指先に魔力を集めた。すると…。
『ポッ!』
指先に小さな炎が出てきた。こんな小さいけどね、結構な威力あるんだよ?冬とかにとっても便利な術なの。
おっと、いけない。狐の声が出てしまった…じゃなくて!
そう言って笑うカナの手には、昨日カナが帰るときに渡した小さな花が握られていた。あぁ、そういえばこの花、一度行った所に行ける術がかかってるんだった。きっとカナは、この場所へ来たいと強く願ったのだろう。嬉しいなぁ…。
あぁ、一緒にいてくれる人がいるっていいな。こういうのを友達っていうのかな?この時間が永遠に続けばいいのに…。
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しばらくして、私達は神社の中で遊ぶことにした。
叶はそう言って、手に持っていた箱の中から甘い匂いのする、美味しそうな物を取り出した。そして「はい、どーぞ!」と、言って三角型の、真っ赤な苺が乗った、『けーき』とやらを差し出してきた。私は試しに一口食べてみた。
美味しい!美味しすぎる!私はケーキを食べ終わってから思った。たまにはこうやって遊ぶのもいいな、と…。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。