俺は、職場の人に声をかけた。
彼女がいるのに、そのときは考えてなかった。
その夜、俺達は一線を越えた。
もしあの瞬間あなたの顔が浮かんだら、
失ってしまう前に気づけた…
その人の存在を隠すのが辛かった。
でも、きっと俺よりあなたのほうが辛いはず。
あなたを失った今、
一人で呟いた。
胸に手を当て問いかければ、
苦しくなるぐらい大きな、
あなたへの気持ちが溢れ出てくるんだ。
気付いたら、もう連絡が途絶えている
あなたの連絡先を開いていた。
だめもとで掛けた電話が繋がった。
すぐ、そう言った。
もう無理かな…
許されるなら、こんな俺を愛してほしい…
もう俺だけの人生ではない。
あなたのための人生。
そう 必ず
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!