第4話

My Only Love
932
2019/02/17 00:00










今日も夜遅くまで仕事。








家に帰ったらあなたがいた。














あなた

あ、おかえり、亜嵐…

亜嵐
…まだ、起きてたんだ。寝ててもいいのに。
あなた

うん…私にできることはこれくらいかなって

亜嵐
あそ、もういいよ、先寝てて
あなた

…うん…



















この時からかな…
















俺らが変わっていったのは。
















亜嵐
あ、連絡めっちゃ入ってる…







あなたからの、かけ直し忘れてた電話。









読むだけで満足してたメッセージ。

































日に日に罪悪感だけが増していった。







そして、あなたへの気持ちも。


















そんなとき、








龍友
亜嵐くん、これ、知っとる?
亜嵐
え…?









そう言って龍友くんが見せてきたのは、






あなたと龍友くんの会話。






























なに、これ…













龍友
あなた、あの夜泣いたんやって
亜嵐
なにそれ…しらない…
龍友
やろうな。









思いやりくれた夜もあなたは泣いてたなんて…
















龍友
あなたと話してきた方がええで









そう言われて俺は楽屋を飛び出した。
































あなた

…亜嵐…?

亜嵐
ごめん…






そう呟いた。
















ごめんの続きどうか受け取ってほしい。











あなた

どうしたの…?














どうすればいいんだろう。







こんな風に言葉に詰まったことは初めてだから…






















今すぐ冷たそうなその手を、






握っていいかが分からない。



ごめんってつぶいてから、







静かな時間に包まれたまま。
















亜嵐
ごめん、あなた
あなた

…うん

亜嵐
冷たい態度とってごめん。
あなた

うん。









あなたは特に何も言わないまま、







俺を見つめている。















あんなに見つめ合った瞳なのにどこか遠く、





























でも俺にはあなたしかいない。








夢に向かって走る俺を、













どんな時も見守ってくれた。











亜嵐
あなた、好きだよ
あなた

今さら何…っ、







俺はあなたを抱きしめた。










亜嵐
あなたしかいない。離したくない。









あなたは俺に答えをくれた。














あなた

私もだよ、亜嵐

亜嵐
…許して、くれる?
あなた

うん、いいよ

亜嵐
寒いでしょ?ほら、手
あなた

繋ぎたいだけじゃん…

亜嵐
そうだけど、







いますぐ冷たそうなその手を掴んで、







ぬくもりを伝えるから。













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