今日も夜遅くまで仕事。
家に帰ったらあなたがいた。
この時からかな…
俺らが変わっていったのは。
あなたからの、かけ直し忘れてた電話。
読むだけで満足してたメッセージ。
日に日に罪悪感だけが増していった。
そして、あなたへの気持ちも。
そんなとき、
そう言って龍友くんが見せてきたのは、
あなたと龍友くんの会話。
なに、これ…
思いやりくれた夜もあなたは泣いてたなんて…
そう言われて俺は楽屋を飛び出した。
そう呟いた。
ごめんの続きどうか受け取ってほしい。
どうすればいいんだろう。
こんな風に言葉に詰まったことは初めてだから…
今すぐ冷たそうなその手を、
握っていいかが分からない。
ごめんってつぶいてから、
静かな時間に包まれたまま。
あなたは特に何も言わないまま、
俺を見つめている。
あんなに見つめ合った瞳なのにどこか遠く、
でも俺にはあなたしかいない。
夢に向かって走る俺を、
どんな時も見守ってくれた。
俺はあなたを抱きしめた。
あなたは俺に答えをくれた。
いますぐ冷たそうなその手を掴んで、
ぬくもりを伝えるから。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!