京本side
状況が、理解出来ない。
今俺の目の前にあるのは真っ赤な右手首と、
カッターを片手に持った若林さんと、
血まみれの腕を上げて歯ぎしりをするあなた。
樹はカッターに怯えて震えていて、後の4人は
頭が追いついていないみたいだった。
髙地「 ... 俺らが殺されるって何。どういうことあなた。全部話して 」
橋本「 触んないで、逃げて!殺されちゃうから!若林、殺る気だよ!! 」
『 ねえどういう事!?ねえ!! 』
田中「 なんで俺らがこんな目に遭うんだよ!! 」
若林「 動くな 」
田中「 っ、、 」
橋本「 お願いだから、皆は殺さないで!!ねえ若林!!! 」
若林「 うるせぇよ!! 」
『 あなたっ、!!!!!! 』
その瞬間、若林さんのカッターがあなたに
向かって振り下ろされた。
それと同時に、ある人が動いた。
バシッ
若林「 っだ、、 」
カランと落ちるカッター。
呆気にとられた若林さんの顔と、目に涙を
溜めたあなたの姿。
北斗が、あの瞬間に、背後から手刀を入れた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。