あなたside
生田「 あなた〜、来たで〜 」
『 いくちゃん!!!!!! 』
生田「 わーったわーった、苦しいから離れて 」
『 ぶーー、 』
生田「 はよせな、遅れるやん 」
『 いくちゃんだあいすき 』
生田「 はいはい、笑 」
できるだけ若林の事は思い出したくない。
あと、会いたくない。
その思いで、必死にいくちゃんに甘えた。
生田「 ... 若林さんは、どうなん 」
『 最悪だよ。だってあいつ、現総長だもん 』
生田「 まじ!? 」
『 うん。まじ最悪。なんで来たんだよって感じ 』
生田「 そう ... 。滝沢さんに言えば 」
『 私が言えると思う? 』
生田「 そーねぇ ... 」
なんて話してたら、もう着いちゃった。
『 ... じゃあ、行ってくる 』
生田「 おん。頑張れ 」
『 ありがと 』
仕事が終わって帰る時にも、若林は来なかった。
... まあ、分かってたけど。
どうせ金目当て。どうせ。
仕事なんでサボるっしょ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。