ころんside
確か、あの時。
なーくんが何か言ってきた気が……
起き上がろうとした瞬間、体に激痛が走った。
恐る恐る当たりを見下ろすと、全く知らない部屋だった。
親友の名前も叫ぶことすら出来ない。
無意識に口元に添えた手のひらに生ぬるい感触があった。
恐る恐る見てみると……
_______血だった
ああ、僕、もう死ぬのか。
ゆっくり、まぶたが落ちていく。
あなたの声が聞こえた気もする。
有り得ないから、すぐ幻聴だと理解する。
そこで僕は意識が飛んだ。
さとみside
聞き慣れない低く、脅すような声。
.
.
それでも絶対に俺は目を開けなかった。
ここでやり過ごせばなんとかなる。
確証も根拠もないが、野生の勘だろうか、なんだかそんな気がした。
____ころんを探さなければ。
早くどっか行ってくれ、とじりじりしていると。
チャッ、と頭上で音が鳴った。
こめかみに冷たい感触がした。
まさか__
俺、死ぬ?
いや、死んだらダメだ。起きろ、俺。
また逃げることになるけど。
なーくんのためにはそうするしかない。
死を覚悟して俺は体を起こした。
男は、深く被ったフードを取った。
そして次に見えた顔は___
__________
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更新遅れてすいません、
♡10で更新
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。