長く伸ばした髪は切られ
綺麗だった机は落書きで埋まり置かれた花瓶
水をかけられたりもした
家に帰っても居場所はなく
ただただ怒られ叱られの繰り返し
担任の先生からも言われた
「どうしたらこんなに点数が落ちるんだ」
そんなの知らない
唯一の心の支え
たかちんでさえも離れていった
「気持ち悪ぃ」
そして、悲劇が起きた
学年の廊下を歩いている時だった
なんのことなのかわからなかった
ただ小野田さんが泣いているのだけは理解出来た
理解ができない
私は小野田さんのL〇NEも消したし
話しかけたことはない
松川くんと別れた日から小野田さんとは関わっていない
小野田さんはそもそも私が嫌い
今、この状況を利用すれば私を確実にどん底に落とせる
あの時のL〇NEも理解出来る
今、私が否定しても無駄なこと
美晴だけは違うと、そう言ってくれると思ってた
やっぱり、私はひとりぼっちがお似合いなそうだ
私は駆け出した
その場から逃げたかった
後ろでは美晴と数人が叫んでいたけど
そんなの無視した
もう、楽になりたい__
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。