前に言っていた通りけいすけのことを気になり始めたきっかけを話そう。
それはまだけいすけと関わったこともないし、ただ廊下をすれ違うだけだったとき。
私は夢を見た。
すごく心地のいい夢だった。
学校でお祭りがあって 生徒みんな浴衣を着ていた。もちろん私もけいすけもだ。
音声は何もなかったのが少し残念だが、私の頭にその映像だけが大切に残っている。
けいすけは後ろから私を包みこんだ。
うしろからハグされているのだ。
そのまま無言のまま、ただ立っている。
そんな幸せな夢だった。
本当になったらいいのに。
今はすごくそう思って仕方がない。
夢だけど暖かさがあった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。