そうしてステージは終わったが私の心にはまだけいすけのことが残っていて、友達といてもどうしても頭から離れなかった。
私は気になってしまって 友達に頼んでけいすけのいるクラスに一緒に行った。
口下手で声をかけるのにも一苦労したが、写真を撮ってもらうことに成功した。
すっごく嬉しかった。
「一緒に写真撮ってもらってもいい?」
「うん!」
(友達に撮ってもらう)
「ありがとう!!」
「こちらこそ声かけてくれてありがとう!」
ただこれだけの会話だった。
でも心がふわふわして、嬉しくて、緊張して、すごく楽しかった。
文化祭で周りが盛り上がっていたはずなのにすごく静かな感じがして、声も動きも鮮明に覚えている。
これが初めて私がけいすけと話したことだ。
友達には「もっと話せばよかったじゃん!」などと言われたが その時の私にはこれが精一杯で、これだけですごく嬉しかったので後悔はない。むしろ自分頑張ったなと思ったくらいだった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。