無料ケータイ夢小説ならプリ小説 byGMO

第15話

観覧車と甘い時間
『俺と観覧車に乗れ』

いやいやいや、玲於。

何を言ってるの⁈

私だけに、そっと耳元で囁かれたコトバ。

まさかそんな少女マンガ的な内容だとはね…。

あんな事言われたら誰だって照れるよ。

*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*

そして今に至る。

みんなには玲於がテキトーな理由をつけてくれたらしく、結局2人きりで観覧車に乗る羽目に。

音もなくゆっくりと動く観覧車。

静か過ぎる事も問題で。

気まずい沈黙が続く。

えもいわれぬ状況の中、先に口を割ったのは玲於だった。

「美恋菜…?」

その声は少し震えていた。

おそらくかなりの勇気がいた事だろう。

「玲於?…っ、わっ!こ、怖…」

玲於がなんの前触れもなくいきなり立ち上がるものだから、高所恐怖症の私はただ慌てるばかりで。

私の隣にスッと腰を下ろした玲於は、大丈夫だから、と優しく微笑んでくれた。

好きな人の近くにいられる事って、こんなにも幸せなことなんだね。

心臓の音が言う事を全然聞いてくれない。

バクバクとうるさく波打つ心臓。

「っ、玲於っ、明日ね、放課後教室で待っててほしいの…」

観覧車の隅に肘をついて景色を眺める綺麗な彼の横顔に、完全に心奪われた。

「俺も、同じ事考えてた…。待ってるよ。」

「うん!」

あと少しで頂上までたどり着く。

何か、起きないかな…。

ほら、よくあるじゃん?

観覧車の天辺でなんかすると結ばれるみたいなジンクス。

でも、あり得ない。

そんなこと…。

そう思ったその時だった。

ートン。

小さく音を立てて重なった手と手。

玲於の手の温もりがたまらなく愛おしく感じた。

たまらなくなって互いに俯く。

ふと横に目線を移すと、耳まで真っ赤に染まった玲於の横顔。

それに余計にドキッとして。

心臓は今にも破裂してしまいそう。

「玲於っ、手…」

やっとのことで声を絞り出す。

「ごめん…。今はこのままでいてぇ。」

玲於はそういって、私の手を離そうとしなかった。

観覧車が一周、周り終わるまでずっとずっと、2人手を重ねて寄り添って。

完全に2人きりの世界ってヤツ。

誰にも邪魔されず、不安も嫌なことも全部忘れて、玲於と甘い時間を過ごした。



そしてクラス会は、玲於との甘酸っぱい想い出に終わった。


明日はバレンタイン。

今年は…何の味がする?