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第11話

もう、こんなにも好き
少し肌寒い冬晴れの屋上。

あれから何分経っただろう。

それはあまりにも突然過ぎた。

屋上のど真ん中、硬いタイルの上、幼馴染に押し倒されて。

まるでそこだけ時間が止まってしまったかのような、ただならぬ状況の中。

甘く絡み合う視線が、余計に私の胸の鼓動を速くさせた。

『美恋菜…』と優しく柔らかな、まるで私を包み込むかのような声で確かに美恋菜と呼んだ玲於。

思い出すだけでいっぱいになる。

私の上には、真剣な眼差しで私を見つめている玲於の瞳。

止まらない。

私の心臓の音はますます激しさを増す。

玲於に聞こえちゃうよ…!

私の思いとは裏腹に、身体っていうのはいざとなると言う事を聞いてくれない。

ぎゅっと唇を噛んで今の状況に必死に耐えた。

「あ、美、美恋菜っ、ごめんっ!」

我に返ったのか、見たこともないくらいに顔を真っ赤にして動揺を隠せない玲於が。

「だ、だっ、だだ、大丈夫だよ‼︎」

上手く呂律が回らず、カチカチにテンパって戸惑ってしまう。

人間、予想もしていなかった出来事に直面すると、自分が自分じゃなくなるというのは本当なんだと思い知らされた。

現に今だって、玲於の目も見られていない。

いつもとは違う互いの様子が、全てを物語っているように感じた。

でも、あの時私は、玲於が好きだと改めて強く強く気付かされた。

もう戻れないと思ってしまった。

「美恋菜っ、俺っ、先行くわ!」

未だ動揺を隠せず、目を泳がせながら玲於が言った。

「あ、ちょ、ちょっと待って!」

力の入らないフラフラした身体をやっとの思いで起こし、玲於の後を追おうと試みたものの…。

この場に居ることが居ても立っても居られなくなったのか、もうそこに玲於の姿はなかった。

はぁ…とため息をつく。

そして、

「う、うわぁああぁぁーっ‼︎」

溜まりに溜まった想いを空いっぱいに叫んだ。

さすがに時間がまずいので、私は屋上を足早に後にし、他の生徒たちの迷惑にならないようにダッシュして教室に足を進めた。

もう気がおかしくなりそうだよ。

玲於、もうこんなにも…。

気付けばこんなにも、キミを想う気持ちが大きくなっていたんだ。

たまらなく玲於が、好きだよ…。

ねぇ、玲於…。

もしかして玲於も、私のこと…。

そんな奇跡みたいなこと、起こるはずないか。

それでも、


こんなに誰かを想う気持ち、初めて知った。

もう、私、溢れそう。

この恋は初めから、引き返せない運命にあったのかもしれない。

有島美恋菜、幼馴染に本気で…

恋をしてしまいました。