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第16話

チョコより甘い『好き』
色々あったけど、もう今日はバレンタイン。

落ち着きなく授業を受け、勝負の放課後を待ちわびていた。

そして放課後。

冬の暖かなオレンジに包まれた逞しい背中がそこにあった。

よし。

心を決めて大きく深呼吸をし、玲於の元へと足を運んだ。

「玲於‼︎」

「おう、美恋菜」

そう言ってニカッとはにかむ彼は、やっぱりかっこいい。


緊張する…‼︎

「んで…、チョコなんだけど、」

はい、と玲於に差し出すと、玲於は眉をひそめて言った。

「は?それだけ?それだけなら…、俺ここにいる意味ない。」

と冷たくいい放って、クルリと背を向けて教室を出て行こうとした。

「ま、待って‼︎玲於っ‼︎」

必死に玲於を引き止める。

でも、引き止めた玲於の顔は真っ赤に染まっていて。

驚いたのと同時に、私まで照れてしまった。

「なんか、あるじゃん。俺がほしいのは…チョコじゃない。」

ん?

チョコじゃ…ない⁈

え、じゃあなんなの⁈

どういうこと⁈

玲於の発言に戸惑ってしまう。

「チョコじゃ…ないの?」

上目遣いで問いかけると、玲於は照れ隠しのように手の甲を口元に当てた。

「あ、あぁ。…ちょっとそのチョコ貸せ。」

…なんで?

さっきから玲於の行動が全く読めない。

「はい。」

それでも一応、チョコの入った手提げ袋を玲於
に差し出した。

すると玲於はガサゴソと袋の中をあさって、私の手作りチョコを出した。

「なぁ、知ってる?チョコが口の中でとろける快感は、キスの4倍なんだってよ。」

え?

何?キスの4倍?

よくわけが分からずにただ頷く。

「うん?で?」

私のあっけらかんとした声に苦笑いして玲於が応えた。

「だから、まずコレ食って。」

は?

んん⁈

「う、うんうんうん。」

言われるがままにチョコを口へ運ぶ。

なぜか挙動不審になってしまう私に、玲於はプッと吹き出した。

「ハハッ!…んで、どう?」

玲於の問いかけに、私は首を傾げた。

「どうって…ただの甘いチョコ?」

「んじゃぁ、コレは?」

コレって何⁈

本当、何するつもりよ。

そう思っていたら。

「んっ…⁈」

何か温かいモノが、私の唇に重なって。

私は驚きを隠せない。

だって、玲於に『キス』されてるんだから。

「んんっ、ふっ…んっ、んんっ」

どんどん深く、激しくなるキス。

私は持っていたチョコの箱を、コトンと床に落としてしまった。

「美恋菜…」

私の目を真っ直ぐに見つめて、優しく名前を呼んだ玲於。

「ん、れっ、お…くるしっ…ぃ」

初めてのキスに、溺れてしまいそう。

「はぁ…、で?本題。どっちが気持ちいい?」

そう言った玲於の不敵な笑みに思わずときめく。

「れ、玲於のっ…が気持ちいい」

だってチョコよりもずっととろけそうだったよ?

キスが終わった後、玲於はきちんと私に向き合って目を合わせた。

「玲於、あ、あのねっ、私、玲於のことが、すっ、…す、…⁈」

私が言いかけたことばを塞ぐようにして、また玲於の唇が重なった。

今度は優しくてあったかいキス。

「いぇーい」

余裕のスマイルを浮かべ、私にピースサインを出してきた。

「ば、バカ!玲於のキス魔っ…!」

恥ずかし過ぎるよ。

「ふは!美恋菜、顔真っ赤!」

イタズラに私をからかってきて。

「う、うるさいッ!」

顔に熱が集中した状態で、目一杯反論した。

でも、やっぱり玲於には敵わないみたい。

ムニっとほっぺたを軽くつままれた。

「好きだよ。美恋菜。…チョコじゃなくて、おまえがほしい。」

反則の笑顔に甘いコトバ。

そう言ったかと思えば、次の瞬間、私を強く抱きしめてきた。

大好きな人の温もりに包まれながら、私も精一杯想いを口にする。

「私も、玲於が…大好き。」

言えた。

やっと言えた。

玲於が好きって。

すると玲於はクシャっと私の頭を撫でてくれた。

「はい、100点!」

「玲於、今年は塩じゃなかったね!」

「う、うるせぇよ」

あ、照れてる。

こういう他愛もない会話が大好きなんだ。

*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*

玲於、今年は砂糖なキミが見れた。

玲於は、私にチョコなんかよりもずっと甘いものをくれた。

大人のキスも。

好きだよって言葉も。

今ではもう、君の全てが大好きだよ。

玲於を好きになってよかった。

玲於、いつまでも隣でいてね。



そんな不器用で甘い、君がくれたもの。

そう、それは…。

チョコより甘い、『好き。』






飽きるほどに食べて見たい。

ミルクでビターな、恋の味を。