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第8話

砂糖な悲劇
水曜日の放課後。

私は静まり返った教室で担任に雑用を任され、一人黙々と作業をしていた。

開始10分ほどしか経っていないのだけど…疲れた。

こう見えて意外にも集中力がないんだよね。

これから受験を迎えるっていうのに。

全くこんなんで大丈夫なのかと心配になる。

一人不安にかられていると、ガラッと教室のドアが開く音がしてふと我に帰る。

姿を現したのは、長身で細身の男子生徒。

「か、片寄くん!」私が声をかけると片寄くんは片手を挙げながら私の席まで駆け寄ってきた。

「よ!有島!手伝うよ!」

ふと視線を上げるとそこには貸して、といいながら優しく天使スマイルを浮かべた片寄くんがいた。

…え、何この王子的スマイル。

前から薄々思ってはいたけど、片寄くんってやっぱり王子キャラ⁈

玲於、あんたこんな真逆の人と毎日一緒に過ごしてんの?

悪いけどまるで月とすっぽんじゃん。

「ありがとう!」

私が放った一言にまた王子スマイルを浮かべて、黙々と作業を進めてくれた。

あぁ。神。

いたよ。ここに。

砂糖メン登場っ‼︎‼︎‼︎

思わず叫びたくなる気持ちを押し殺し、私も不器用な手先を懸命に動かして作業を続けた。

「なぁ、有島?」

静かな教室に片寄くんの甘さをたっぷりと含んだ声が響く。

思わずドキッとしてしまった。

急に意識してしまって上手く話すことができない。

「なに?」

声うわずってるし。

でも片寄くんはそんな私を見ても余裕の表情。

「修学旅行楽しみだな」

全く予想を反した言葉に、少し衝撃を受ける。

「う、うん!楽しみだね!」

明るく返事を返す私に、片寄くんはまた嬉しそうな顔をして。

その後も作業が終わるまで、たわいもない会話をして笑いあっていた。

片寄くんが教室を去った後、私は一人のんびりと帰り支度をした。




でも、この時私は知らなかった。

私と片寄くんが教室に2人でいるところを玲於に見られていたなんて…。