数分で、女は海賊を十人ほど倒した。
その強さと速さに、
町の人達は圧倒されていた。
それを横でただ見ていたゾロは、
ある事に気がついた。
動きが、だんだん鈍ってきていた。
刺された箇所からの血は止まっておらず、
地面には彼女の血が染みている。
一人の男が叫びながら走ってきた。
しかし、糸がプツンと切れたように、
女は地面に倒れ込んでしまった。
とどめを刺そうと、海賊は剣を振りかざした。
しかし、ゾロはとっさにその攻撃を
刀で受け止めた。
鍔迫り合いを続けたが、
ゾロが相手を力で押し返した。
しかし、相手が倒れた
その時、⋯⋯
一目散に逃げ始める海賊たちと同じく、
ゾロも刀を鞘にしまい、船に戻ろうとした。
しかし、「待って!」という声と同時に
誰かに手を引っ張られた。
振り返れば、一人の少女がいた。
目には涙が溢れており、
周りの人達より心配そうにしていた。
ゾロは意を決して、
地面に横たわっている彼女の体を、
そっ、と持ち上げた。
アンケート
どっちがいい?
一日一話更新
76%
三日に一回程、複数話更新
24%
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。