第5話

白い空間 ー前半ー
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2021/05/30 06:00
......_____ここは、私の知っている病院じゃない。
なぜ病院に来ていたのか思い出せない。
だけどそれは直感的にわかった。
レイチェル
💭眠っているうちに、違う階に移動させられたのかな……
奥が見えないくらいまで、誰も歩いていない白いタイル地の廊下が続いている。
レイはその、ため息も聞こえない不気味な廊下を、まだ少しふらつきながら歩いていった。
すると少し進んだ所に、格子状の黒い扉を見つけた。
扉にはカードを嵌め込む装置のようなものが埋め込まれている。
警戒しながらもそっと扉に手を掛けてみるが開かない。
無理矢理開けようとすると、装置はピーピーと音を立てた。
レイチェル
💭カードがいるのかな......
格子状になっている扉の向こう側を覗き込むように、レイはその隙間に目をこらす。
薄暗くてあまりよく確認できないが、エレベーターのようなものがあるのがぼんやりと見えた。
レイチェル
💭はやく家に帰りたい……
あなた
……
レイチェル
あ、
レイチェル
💭どこ、行くんだろう……
レイチェル
ッ....💭やっぱり、気分が悪い......
レイチェル
?💭何、見てるんだろう……
レイチェル
あれ……壁に何か書いてある……
しかしふと、その奇妙な文字の連なりが視界に入った瞬間!まるで金縛りにあったみたいに身体が動かなくなった。
"君はいったい誰で、何者か"

"自信で確かめてみるべきである"

"本来の姿か、望む姿か"

"天使か、生贄か"

"己を知れば門は開かれる"
レイチェル
……?
何かの呪文のような文章に、少しこわくなって、レイは少し後ずさりをする。
___天使か、生贄か。
レイチェル
💭私は……
___どちらでも、ない....?
無意識にそんな答えが浮かんだとき、文章が書かれた壁のすぐそばに、さっきの診察室と同じようなドアがあるのが目に入った。
その瞬間、レイは誰かに操作されているように、そのドアを開けていた。

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