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第9話

B6 2
332
2022/01/21 09:14
足を進めるたびに、ブーツの裏でびちょびちょと虫が潰れるような不快な音がする。
路地裏のような通路を抜けた先には、小さな空き地のような狭い空間。

まるで夜がくる寸前のような....そんな感じだ。
次第に目が慣れてくると、赤黒い痕が、あちこちに散布していた。

それは何か、残酷な出来事がここで起きたように思わせる、不穏な痕跡だった。
レイチェル
💭これ、血だ....。なんでビルの中に血が....?
レンガ調の壁に、B7出みたのと同じような文章が、白いチョークで書かれているのが目に映る。
”______ここにはフロアごとに似つかわしい者たちがいる。”

”その者は自分のフロアから出ていけない規則がある。”

”そのフロアの者に殺されたくなければ、別のフロアへと上がるほかない。”
レイチェル
💭落書きかな....?
落書きの隣に新聞の切り抜きが貼ってあった。
『路地裏の殺人』

___××年××月××日××州の××でまたもや痛いが発見された。
街の路地裏にて近所の住民が発見。十代の少年と見られるが、身元は不明。
遺体には大きな切り傷があり、連続殺人として捜査が進められている。
レイチェル
💭十代の少年....
チラッと、隣の女の子を見る。
自分より幾らか年下にも見えるが、自分より遥かに年上にも思えるその横顔を見ていた。
レイチェル
💭早く帰らないと....
再び歩き出そうとした瞬間、
ピィピィ________と懐かしいような鳴き声が聞こえてきた。

顔を上げると、天井に近い壁に不自然に空いた穴の中で、白い小鳥が何科を訴えるように鳴いていた。
レイチェル
💭どうしてこんなところに小鳥が....?
レイチェル
💭....小鳥、可愛いな
けれど考えるより先に、心には小鳥に触れてみたいという感情が湧き上がる。こんな生気のない、不潔な場所に突如現れた、その可愛い生き物の存在は、突然こんな場所に来てしまい、動揺を隠しきれないレイの心に、安心と嬉しさをもたらした。
レイチェル
こっちにおいで
レイは小鳥に向かい、優しい声で呼びかけ小さく手招きをする。でも小鳥は、例と同じように首を傾げるだけ…。穴の中から動こうとしない。穴の中が暗く、よく見えないが、小鳥は少し弱っているようにも見えた。
レイチェル
💭もしかして、お腹……空いているのかな…
レイチェル
ちょっと待ってね……何か、食べものを探してくるから
レイは柔らかく微笑み、小鳥に告げ、少し駆け足になりながら路地裏を後にした。
その時に、チラリと後ろを見た。
女の子も小鳥に夢中のようだったので、一人で行く事にした。

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