廉 side
でもとにかく、
しばらくあなたとは口もきいてへん。
このままじゃあかんよな。
だから俺は、あなたに謝らなあかんって思って。
昼休みに話そうと思ってたんよ。
なのにまた、あなたは俺を腹立たせる。
きっと今立ち上がったのは、
保健室に行くんだろう。
紫耀ってやつと話すんだろう。
せっかく謝ろう思ったんに、
タイミング悪い。
ほんまに紫耀って男は、
あなたをとるなや。
俺にしか心を開かへんかったあなたが、
紫耀にもなんて…。
ほらまた…。
こんな悩ましくなるほど、ひっかかるこの気持ちはなんやねん。
俺の、幼馴染やのに…。
俺には、あなたしか居らんねん。
頼り合えるやつが、あなたしか居らんねん…っ
ほんまに俺は弱いねんなっ。
花蓮「廉、くん…っ」
『…え?』
今あなたに謝るタイミングを考えてたんに…。
でもそーいや、花蓮ちゃんとなんも話してへんな。
これはふつーやないんやろ?
カップルは、毎日話すんやろ?
花蓮「今日、一緒に帰れるかな…っ」
『でも俺、あなたが…、あっ…。』
まだあなたと仲直りしてへんやん。
もしかしたら、あなたは許してくれへんかもしれん。
あなたと、帰れへん可能性がある。
やから…
『あ、おう。ええよ』
花蓮「ほ、ほんと…?やったぁ っ」
こんな可愛らしい顔すんねんな。
あなただったらブタやブタ。
こんな可愛らしい笑顔よりも、
ガッツリ笑顔しかせえへんもん。笑
『おん。じゃあ、靴箱のとこで待っとるわ』
花蓮「わかった…!ばいばいっ」
『じゃっ。』
なんか無駄に、緊張するな…。
あなた以外の女子と話すって、勇気いるな。
恋愛って、こーゆーもんなん?
わからへんわぁ…。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。