あなたは俺と平野を見てはキョロキョロしてるし、
平野は睨んでくるし。
何しとるんか聞けば、
慰めとったんやし。って言う平野。
意味がわからんくて、
腹が立って、
あなたにまで当たってしまった。
しかも、あなたは泣きっぱなし。
きっと何かあったんや。
そんなの幼馴染やから、当たり前にわかる。
でも今までなら、
すぐ俺の事頼ってくれてたんに。
だから、『もう頼れる存在やないん、?』って、聞いた。
あなた「それは…!ちがっ、くて…」
違うならなんやねん。
はっきりしてほしい。
そんな思いばかり。
そしたら平野が、
平野「お前には、花蓮ちゃんおるやん。」
「そんなんで、あなた頼れると思うか、?」
だから俺、あなたの隣からはいなくならんよ。って言うたやん。
なんで遠慮なんかすんねん。
俺は、そんなにあなたに辛い思いさせてるんかって悲しくなってん。
だから、言うたんよ。
『なんでやねん…っ!俺は花蓮ちゃんよりあなたと仲良くしとるよ…?』
平野「なんやねん!お前は誰と居たいねん!」
「はっきりしないから、あなたも辛い思いするねんで、?」
ふつうのカップルなら、幼馴染よりも彼女にいくのかもしれへん。
けど、俺はほんまに花蓮ちゃんが好きなのかもわからへんし、
でも、最低かもしれへんけど、
恋を知りたいし。
ただ、あなたはどうしても離れていかんでほしい存在で。
あなたしか、頼れへんくて。
あなたが唯一、素で話せて、ラクで、楽しくて。
あなたへの気持ちも、なんもわからへん。
幼馴染って、こんなもんやないの?って思うのに、
またそれとは違う感情もあるようで…。
気持ちっちゅーもんは、俺にとって難しいねん。
はっきりせなあかんのもわかっとるけど、
どちらも手放しちゃいけない気がして。
でもあなただって、例え平野が好きやなくても、
仲良くしてるのには変わりない。
しかも平野は、あなたが好きらしい。
俺は裏切られたような感覚しかなくて、
余計にあなたに踏み入っちゃいけんような気もして。
俺だって、いろいろ不安になるねん。
でもそれと同じく、あなたも不安やったんよな、?
でも俺は、今変に考えとったら、壊れそうやから。
もう少し、強くて余裕なフリさせてや?あなた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!