ある日の事だった。
「今日は、転校生が来てる。」
ザワッ となるクラス全体。
イケメンかな?
いや、可愛い子じゃねっ!
なんて、早くも妄想が始まる中、
私は何度まばたきした事か。
クラスのドアが ガラッ と開いた先には、
イケメンな彼がいたから。
顔がよりイケメンになった、幼馴染がいたから。
片想いし続けてる、廉がいたから。
女子がたまらず黄色い声援を出す
そんな中、唖然としてる私。
いや待てよ、にしても顔がイケメンになりすぎとる。
似てるだけのやつだ。
うん。
廉「永瀬廉です。よろしくっす」
名前が同じぃ………ッ!
いやちゃうよ、同姓同名のやつよこれ。
ほんまにただの偶然やろ。
だって、見るからにチャラいし
言葉からして、…っす、って、チャラいし
たしかに、あの子も、チャラいけども、
だって、廉からはそんな連絡なかったし、
転校なんて聞いてないし、
同一人物。んなわけない
先生に指示され、少し離れた席に座った彼。
さっきから、目が合うのは気のせいだろうか。
休み時間になれば、彼の周りに女子が取り囲むしまつに。
んま、イケメンだもん。
そりゃ当たり前。
やっぱ廉…?
何度もそう考えた。
でも廉は、ものすごく人見知り。
すぐに仲良うなれるタイプやないし、
モテるなんて、そんな柄は似合わへん。
もし廉?なんて聞いて、幼馴染の廉じゃないとしたら、
そんな恥ずかしい事、たまったもんじゃない
いつのまにか、放課後まであと1時限。
昼休みの事だった。
相変わらず、いつまでたっても女子が取り囲む彼の席。
彼の姿は全く見えず、もう別の世界かのように感じる。
でもどうして、彼の事が頭から離れない…?
廉に似とるから?
その時だった。
廉「いやぁ、モテるって意外とええんやな。」
聞き覚えのある、関西弁。
廉「大阪ん時じゃ、ごぼうなんて言われとったし。東京はモテモテやな、
そやろ?あなた」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。