第6話

視線
3,470
2019/03/10 14:53
『痛いんだけど!力加減、馬鹿げてるほんま』





廉「ごめんてごめんて。」






ほんまに反省しとるのか。





『てかもうほんと、チャラい』




廉「大阪おったときも俺こんな感じやったし」





『いや、その倍!チャラくなっちゃった』






廉「うるせえほんまに」





廉「てかお前、ずいぶん生意気なったなぁ〜」





『廉に言われたない!』






廉「ようそんな口答えできるなこの野郎」





『だって廉やもん』






廉「は?お前ふざけとんなアホバカ」






『アホバカ!?ちゃうもん!』






廉「あなたちゃんはアホでバカでお子ちゃまやもんなぁ〜」







なでなで。なんて言って、頭を撫でてくる






『れ、廉ッ! // からかわないでよっ!』





廉「だっておもろいもん。」





『は?ふざけとるほんま!』






廉「ふざけてへんわ!あぁもうこんなやつおったらぶっ飛ばしそうやわ」





『え、私ぶっ飛ばされるん笑』






廉「あなたはぶっ飛ばしたりせんわ!
だって大事なやつやもん、絶対せん」





『はっ、…/』






もう、そんな甘い言葉、どこで覚えてきたん







意味わからへんわぁ…







廉「え、な、何照れてるん!/」






『うるさい』





廉「あ、俺カッコイイって?
そっか〜。付き合いたくなっちゃったか。」





『…』





そこは、否定できひんやん。





カッコイイとかそんな自意識過剰すぎるのはツッコミたいけど、






好きなもんは好きやし。




付き合いたいとも思ってるし。







廉「へっ、…/」





『あぁアホ!自分で言うなやイケメンとか』





廉「そ、そーやな!笑 なんでツッコまへんのや思ったんやけど」






カッコイイと思ったから。




付き合いたいって、何年も思ってきたから。









それが言えたら、なにも苦労しない。





廉「あぁもう、なんか俺バカみたいやわぁ。ほんまに単純。」





『あ、今更気づいた?バカだよ?廉』






廉「なぁサラッと言うな!おかしいy…うぉ」








ん?私なんかした?







なにがどうした。







廉の方を向くと、







ノートを落とした女の子の姿。




隣のクラスの、大谷花蓮ちゃん。






廉「ん…?これ、きみの?」






花蓮「そ、そうですッ!!ありがとうございます!」




廉「ちゃんと手で掴んどきや、また落とすぞ」




花蓮「ごごごごめんなさいっ!ありがとうございますっ」




廉「ほい、あなた行くぞ」




『あぁ、うん』







永瀬くんと話してんじゃん花蓮!よかったね!




なんて聞こえてくる。







まぁ、こんなに人気になっちゃったんだもんなぁ。





なんか寂しい。





みんなに廉が注目されてる。




ほんとに何もかも、変わっちゃってる。





だってこの人、調子のっちゃってるもん





廉「なぁお前遅いねんてっ!」



『しょうがないでしょ、歩くの遅いもん』




廉「早く帰りたいねんもぉ…」





ガシッ





『へっ、』






廉「お前が遅いからやもん。走るで」





手首を掴まれ、走り出す。








その姿を、花蓮ちゃんは見ているような。

そんな気がするくらい、視線が当たっているのは気のせいだろうか。









でもいつか、廉の隣が私だけじゃなくなるなんて、予想もしなかったのに。


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