『痛いんだけど!力加減、馬鹿げてるほんま』
廉「ごめんてごめんて。」
ほんまに反省しとるのか。
『てかもうほんと、チャラい』
廉「大阪おったときも俺こんな感じやったし」
『いや、その倍!チャラくなっちゃった』
廉「うるせえほんまに」
廉「てかお前、ずいぶん生意気なったなぁ〜」
『廉に言われたない!』
廉「ようそんな口答えできるなこの野郎」
『だって廉やもん』
廉「は?お前ふざけとんなアホバカ」
『アホバカ!?ちゃうもん!』
廉「あなたちゃんはアホでバカでお子ちゃまやもんなぁ〜」
なでなで。なんて言って、頭を撫でてくる
『れ、廉ッ! // からかわないでよっ!』
廉「だっておもろいもん。」
『は?ふざけとるほんま!』
廉「ふざけてへんわ!あぁもうこんなやつおったらぶっ飛ばしそうやわ」
『え、私ぶっ飛ばされるん笑』
廉「あなたはぶっ飛ばしたりせんわ!
だって大事なやつやもん、絶対せん」
『はっ、…/』
もう、そんな甘い言葉、どこで覚えてきたん
意味わからへんわぁ…
廉「え、な、何照れてるん!/」
『うるさい』
廉「あ、俺カッコイイって?
そっか〜。付き合いたくなっちゃったか。」
『…』
そこは、否定できひんやん。
カッコイイとかそんな自意識過剰すぎるのはツッコミたいけど、
好きなもんは好きやし。
付き合いたいとも思ってるし。
廉「へっ、…/」
『あぁアホ!自分で言うなやイケメンとか』
廉「そ、そーやな!笑 なんでツッコまへんのや思ったんやけど」
カッコイイと思ったから。
付き合いたいって、何年も思ってきたから。
それが言えたら、なにも苦労しない。
廉「あぁもう、なんか俺バカみたいやわぁ。ほんまに単純。」
『あ、今更気づいた?バカだよ?廉』
廉「なぁサラッと言うな!おかしいy…うぉ」
ん?私なんかした?
なにがどうした。
廉の方を向くと、
ノートを落とした女の子の姿。
隣のクラスの、大谷花蓮ちゃん。
廉「ん…?これ、きみの?」
花蓮「そ、そうですッ!!ありがとうございます!」
廉「ちゃんと手で掴んどきや、また落とすぞ」
花蓮「ごごごごめんなさいっ!ありがとうございますっ」
廉「ほい、あなた行くぞ」
『あぁ、うん』
永瀬くんと話してんじゃん花蓮!よかったね!
なんて聞こえてくる。
まぁ、こんなに人気になっちゃったんだもんなぁ。
なんか寂しい。
みんなに廉が注目されてる。
ほんとに何もかも、変わっちゃってる。
だってこの人、調子のっちゃってるもん
廉「なぁお前遅いねんてっ!」
『しょうがないでしょ、歩くの遅いもん』
廉「早く帰りたいねんもぉ…」
ガシッ
『へっ、』
廉「お前が遅いからやもん。走るで」
手首を掴まれ、走り出す。
その姿を、花蓮ちゃんは見ているような。
そんな気がするくらい、視線が当たっているのは気のせいだろうか。
でもいつか、廉の隣が私だけじゃなくなるなんて、予想もしなかったのに。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!