第12話

第11話 シャットダウン
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2020/11/24 11:34
ぺけたんside

俺の目から水が溢れ出した
人間で言う『涙』なのかな…
ぺけたん
ぺけたん
俺のせいで、博士がこんなことに…
マサイ
マサイ
ぺけは何も悪くないって!
ぺけたん
ぺけたん
俺があの時、大人しく博士の言うこと聞いてたら良かったのかな
今までのことなんて全部忘れたら、今頃…
するとマサイは急に怖い顔つきで俺の肩を掴んだ
マサイ
マサイ
じゃあぺけはさ、俺と過ごした記憶なんてどうでも良かったんだ
ぺけたん
ぺけたん
え?
マサイ
マサイ
俺といても楽しくなかったんだ
ぺけたん
ぺけたん
そ、そんなこと
マサイ
マサイ
だってそうだろ?
俺との思い出消えても別にぺけは困らないんだろ?
ぺけたん
ぺけたん
違う!
そうじゃなくて…
マサイといる時は本当に楽しい
それは嘘ではない
ご飯を美味しいって言ってくれる時や研究やロボットの修理をしている時、ハグしてる時
数え切れないくらい過ごした時間は、俺にとって大切な思い出だ
ちゃんと言わなきゃ
なのに、なんで言葉に出せないの?
声に出して言うだけなのに、なんで…
マサイ
マサイ
今までのは全部嘘だったんだな
ぺけたん
ぺけたん
マサイ…
マサイ
マサイ
まぁお前、ロボットだもんな
ぺけたん
ぺけたん
マサイ
マサイ
全部作られた感情だから、本心から楽しいだなんて思えないよな
ぺけたん
ぺけたん
っ!
パチン




と痛々しい音がした
気づいたら俺はマサイのことを平手打ちで殴っていた
ぺけたん
ぺけたん
あ…ごめ…
マサイ
マサイ
…俺、大学行くから
マサイは荷物を持って病室を出て行ってしまった
マサイが部屋を出た途端、俺は膝から崩れ落ちてしまった
ぺけたん
ぺけたん
マサイ…マサイぃ…
また涙が溢れた
マサイにあんな風に思われてたんだ…
やっぱり俺は所詮『モノ』なんだな
俺の何もかもは作られたものばかり
今までマサイに向けていたものは全部、俺の感情じゃないんだ
寂しいのも、あったかいのも、嬉しいのも…
だったら…
ぺけたん
ぺけたん
サヨウナラ…
俺の視界はそのままブラックアウトした









マサイside
俺は病院を出て、そのまま河原に向かった
ここはよくシルク達と来ている場所
俺はそこで石を思いっきり川にぶん投げた
マサイ
マサイ
クソっ!
俺の馬鹿野郎!
ぺけに酷いことを言ってしまった
最低だ
あいつは何も悪くないのに
俺があんなこと気にしなきゃ良かった話なのに…
ンダホ
ンダホ
あ、マサイ!
ダーマ
ダーマ
大学サボって何してたんだよ〜
ザカオ
ザカオ
…あれ、マサイ泣いてるの?
振り返るとシルク達がいて、気づけば俺の目からは涙が溢れていた
シルクロード
シルクロード
なんかあったのか?
俺はシルク達に何もかもを話した
博士と言い合いになって倒れてしまったこと、ぺけに酷いことを言ってしまったこと
そして、ぺけのことを好きなことも…
モトキ
モトキ
それは、辛かったね
マサイ
マサイ
俺、ただ悲しかったんだよ
ぺけにとって俺はポイって捨てれるような奴なんだって思って
本当はそんなつもりで言ってたわけじゃねぇのに…
俺ってほんとにガキだわ
もう絶対嫌われたなぁ
ザカオ
ザカオ
そんなことないって
ンダホ
ンダホ
元気だしなよ!
シルクロード
シルクロード
病院戻ってちゃんとぺけと話しな?
1人じゃ不安なら俺たちもついて行くからさ
マサイ
マサイ
ごめん…
シルクロード
シルクロード
謝んなよ!
友達が困ってたら助けるのは当然!
ダーマ
ダーマ
さっさとぺけの所に行こうぜ!
モトキ
モトキ
ちょ、ダーマはやい!w
マサイ
マサイ
ふふっ
みんな、ありがとう
みんなで他愛もない話をしながら病院は向かった
ちゃんとぺけの話を聞こう
それで、俺の気持ちもちゃんと伝えるんだ
そう決心して…

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