今のお城は、静かで、暗い。
僕は、王様。
国でいちばん偉い。
だから、なんでもできる。
はずなのに…
お父様がなくなって6年。
あの戦争以来、お父様が帰ってくることはなかった。
口を尖らせて言うジェルくん。
彼は、僕の幼なじみ。
ずっと一緒にいる。
ジェルくんは、優しいし、面白い。
だから、昔っから大好きだった。
僕と同じ年齢だけど、大人びた彼は僕より誕生日が遅くて。
彼のことならなんでも知ってる。
つもりだった。
確か、お父様が亡くなった日から?
彼は、何かを隠すようになった。
僕らは、なんでも話すぐらい仲が良かったのに。
僕が聞いてもあやふやにして、誤魔化すんだ。
ひきつらせた笑顔で彼は言った。
昔から、作り笑いが下手なんだよなぁ、ジェルくん。
彼は頑固だから。これ以上聞いても、何も答えないだろう。
僕は今、17歳。
この国の決まり。
王族は、18歳になるまでに、結婚しなきゃいけない。
そろそろ、お見合いの時期か…
時間は容赦なく過ぎていく。
どんなに願ったって時間が止まることはない。
あの頃の、子供のままでいたかった。
何も考えないで。
ただ、あの頃みたいに…
スースー
ずっと笑ってたかった。
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いやぁ、お久しぶりです。
もち。です!
おぉ、約1か月ぶりの投稿ですね!
そのくせにこんなに短いなんて…
しかも夜中に…
信じられません(((
あ、最後の橙くんのセリフ誤字じゃないですよ?
いやぁ、これからできるだけ投稿頻度あげられるよう頑張ります(* ゚∀゚)
読んでくださった方、ありがとうございます!
続きを楽しみにしてくれたら嬉しいです!!
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。