第4話

王様と家来
27
2021/01/03 14:51
今のお城は、静かで、暗い。
ジェル
ころん様、どうかされましたぁ?
ころん
……
ころん
…嫌い
ころん
なんで、外に出してくれないの?
僕は、王様。

国でいちばん偉い。

だから、なんでもできる。




はずなのに…
ジェル
だってぇ、今外は危ないですから。
お父様がなくなって6年。

あの戦争以来、お父様が帰ってくることはなかった。
ころん
でも、僕は王様だよ?
僕の言うこと聞いてよ。
ジェル
いやいや、俺はころん様の専属執事兼護衛なんだから、守らなきゃいけないですし。
口を尖らせて言うジェルくん。

彼は、僕の幼なじみ。

ずっと一緒にいる。
ころん
でも、王様の僕が自分の国を見ないでどうするのさ!
ジェル
……お前が知らなくていいこともあるんよ。
ジェル
あんまり俺を困らせないでくれや…
ジェルくんは、優しいし、面白い。

だから、昔っから大好きだった。

僕と同じ年齢だけど、大人びた彼は僕より誕生日が遅くて。

彼のことならなんでも知ってる。






つもりだった。
ころん
いつから変わっちゃったの…。
確か、お父様が亡くなった日から?

彼は、何かを隠すようになった。

僕らは、なんでも話すぐらい仲が良かったのに。

僕が聞いてもあやふやにして、誤魔化すんだ。
ジェル
悪いなぁ、守秘義務があるんよ。
ころん
王様の僕にも言えないの?
ころん
命令だとしても?
ジェル
言えないわぁ…
ひきつらせた笑顔で彼は言った。

昔から、作り笑いが下手なんだよなぁ、ジェルくん。
ころん
…そっか。
彼は頑固だから。これ以上聞いても、何も答えないだろう。



僕は今、17歳。

この国の決まり。

王族は、18歳になるまでに、結婚しなきゃいけない。

そろそろ、お見合いの時期か…
ジェル
とりあえず、元気出しましょうって。
俺が可愛い婚約相手探しますから。
時間は容赦なく過ぎていく。

どんなに願ったって時間が止まることはない。

あの頃の、子供のままでいたかった。

何も考えないで。

ただ、あの頃みたいに…
ころん
お父様とお母様と…










スースー
ジェル
あれ?寝ちゃった?
ジェル
…おやすみ、王子様。






ずっと笑ってたかった。









────────────────────────

いやぁ、お久しぶりです。

もち。です!

おぉ、約1か月ぶりの投稿ですね!

そのくせにこんなに短いなんて…

しかも夜中に…

信じられません(((


あ、最後の橙くんのセリフ誤字じゃないですよ?


いやぁ、これからできるだけ投稿頻度あげられるよう頑張ります(* ゚∀゚)


読んでくださった方、ありがとうございます!
続きを楽しみにしてくれたら嬉しいです!!

プリ小説オーディオドラマ