第11話

三途の川
70
2021/08/17 09:00




瑠璃色の水に入る

服に水が染みて冷たい
サキ「さむ〜……」
獅音「流れが早い……」
サキ「ほんと足が取られそう」
獅音「なるべく一緒に行動しよ」
サキ「うん」
獅音「サキ、泳ぎは?」
サキ「人並みならできる」
獅音「よし、じゃあ行くよ」




水位は深いところで首くらいまで

泳いで歩いての繰り返しで行く



獅音「川幅広いね……」
サキ「うん……」
獅音「流れが進むにつれて早くなってる」
獅音「気をつけて」
サキ、サキ聞こえる?
サキ「?!」
お母さんよ、分かる?
サキ「お母さん……?」
獅音「サキ?どうした?」
お母さん達、事故でここに来てしまったの
あなたは向こうへ行ったら1人になってしまうのよ
サキ「やだ……ッッ、そんなのやだ!」
獅音「サキ?!」
サキ「私もこっちに残る!」
獅音「サキ!!((ガシッ」
サキ「……ッッ((ビクッ」
獅音「いい?今のは多分三途の川の番人」
獅音「耳を傾けないで」
サキ「今のが……?」
獅音「そう、この声が聞こえたってことは」
獅音「番人に目をつけられた」
獅音「もう引き返せない」
サキ「……」
獅音「行こう、早くしないと名前を忘れる」
サキ「うん……((グラッ」






足を踏み出すと






世界が、逆転した

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