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2021/08/09

第3話

停車場




強い振動で、目が覚めた

若い男性は相変わらず笑みを口元に浮かべている
「……私を帰してください」
若い男性「それは出来ません」
「何故ですか?」
若い男性「お盆にあの墓地に近付いた者は」
若い男性「亡者の強い流れに逆らえず、あの世へ行くんです」
あの世、彼がそう言った途端

私の中には希望と抗いが生まれていた

あの世へ行ったら獅音に会えるかもしれない

家に帰りたい、あの世は怖い
若い男性「怖いですか?」
「……はい」
若い男性「では、質問でも聞きますか?」
「何故ですか?」
若い男性「気休めになるかと」
「……」
せっかく与えられた時間だ、有効に使おう
「亡者の強い流れとはなんですか?」
若い男性「今はお盆の終わりの時期」
若い男性「墓地にはあの世へ帰るおびただしい量の」
若い男性「亡者があの世への帰りを待っています」
「人は死んだら転生するのではないんですか?」
若い男性「転生する者、幽霊としてあの世に残る者」
若い男性「それからもう1つ、どちらにもなれない亡者」
若い男性「この3つに分かれます」
「どちらにもなれない?」
若い男性「はい、心残りがある者は」
若い男性「心残りを無くさないとどちらにもなれません」
若い男性「たまに心残りに気づかないまま転生し」
若い男性「前世の記憶を持ったまま産まれてしまいます」
「…………」
若い男性「他に質問はありますか?」
「無いです、ありがとうございます」
若い男性「お役に立てたようで何よりです」
若い男性「おや、そろそろ停車場に着きますね」
若い男性「お嬢さん、ここでお別れです」
若い男性「どうか気をつけて」
「お気遣いありがとうございました」