第8話

黄色
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2021/08/14 09:00



獅音「そうだ、君俺のピアスについて知らない?」
「ピアス?」
獅音「そうなんだ、これについて思い出せなくて……」
「誰かに貰ったの?」
獅音「それも分からないんだ」
獅音「君、ポケットに何か入ってない?」
「ポケット?」
獅音「死んだ時の持ち物がそのままあるの」
「そうなの?」
ポケットの中を探る

と、何か小さいものが手に当たった
「これ……」
獅音「ピアスだね」
「……私のは赤色、獅音のは黄色だね」
獅音「……!」
獅音「ちょっと目見せて?」
前髪を上げられる

私は自分の目が嫌いなのでいつも目を隠してる
「ちょっ?!」
獅音「やっぱり……」
「えっ、なになに?」
獅音「ねぇ、俺と君は仲良かったの?」
「そりゃもう、兄妹ぐらい仲が良かったよ」
獅音「……じゃあこのピアス」
獅音「お互いが買ったものじゃないのかな?」
「お互い?」
獅音「うん、俺の目の色のピアスを君が持ってて」
獅音「君の目の色のピアスを俺が持ってる」
獅音「偶然じゃないと思う」
「えぇ……お互い……いつ買ったっけ……」





高校生になるからピアス開けられるね!



そうだ、名前入れようよ!





「あっ!」
獅音「何か思い出した?」
「うん、高校生になる時ピアス開けれるねって言って」
「色違いのピアスをデパートで買って」
「その時お互いの名前をピアスに入れてもらったの」
獅音「じゃあこの裏を見れば……」


ピアスの裏を見る



獅音「SAKI.FUJIGAYA……」
「サキ……私の名前は、サキ?」
獅音「だと思う、藤ヶ谷サキ」
獅音「それが君の名前」







久しぶりに聞いた私の名前は、妙に懐かしかった

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