第15話

現世
88
2021/08/21 09:00










暗い静寂の中、意識が浮上する

私は、何をしていたんだろう




そうだ、獅音が夏祭りの途中に急に居なくなって

それで探してたんだ

起きなきゃ、獅音を探さなきゃ





サキ「ん……((パチッ」
獅音「…………」



目の前で、獅音が寝てる

相変わらず整った顔をしていて少し腹立たしい

こんな寝顔を誰にも見せたくない思いと

もう少しこの寝顔を見ていたいと思う気持ちが交差する

獅音「ん……((パチッ」
獅音「あれ……俺、何を」
サキ「獅音、おはよ」
獅音「あっ、サキ」
獅音「そのピアス、付けてくれたんだね」
サキ「うん、お揃いだし獅音に1番に見せたかったの」
獅音「っ……////」
サキ「?」
サキ「そうだ、そろそろ花火上がる時間じゃない?」
獅音「あっ、そうだね」
サキ「こっから見えるかな〜」
獅音「…………サキ」
サキ「ん?」
獅音「今日、伝えたいことがある」
サキ「なに?」
獅音「……」





獅音「俺は、13年間サキに片思いしてる」
サキ「……?!//////」
獅音「ごめん、こんなダサい告白で」
獅音「でも、サキは可愛いしモテるし」
獅音「俺なんかじゃ釣り合わないんだ」
獅音「だから、この気持ちだけ知っててくれれば」
獅音「それでいい」









サキ「……片思いじゃないよ」









私の声は微かに震えていた

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