さとみくんの口から言われた言葉は僕が想像していたものとは程遠いものだった。
突然そんな冷たい事を言われ、僕の体は固まる。
一気に色んな事を教えられたせいで、頭がおかしくなりそうだ…。
さとみくんとは一緒に居たいけど…どうせなら最後まで生きたい…かも…。
さとみくんは抱き締めていた手を離して、そっと僕の首に手を添える。
『ドサッ』
『ギュ…』
意識が遠のいていく中、手に少し温もりの様なものを感じた…
あぁ、僕死ぬんだ。
あれもこれも、全て終わり。
1度死んだら、もう"初める"事は出来ない。
お母さん…ごめんね、せっかく再開することだって出来たのに…
あと少し生きてみようと思った人生、さとみくんに殺されるなら、別にいっか。
さとみくんと居られるなら僕は幸せ。
…だよね?
お話して、歌って、触れて…大好きな人の声が聞けるなら…幸せだよね?
でしょ?そうじゃないならさ、僕
『何のために逝きてんの…?』
そして、僕の体は冷たくなっていく。
でもいいんだ。これで
僕はさとみくんと生きて行く。
そう決めたじゃんか…
…なんでだろうね。
なんで僕は無笑病なの?さとみくんだって同じ…
こんなの不平等だよ…
産まれたくもない体になって、ただでさえ嫌なのに酷い扱いを受けるんだよ…?
何だよそれ…本当に意味分かんねぇ
そして、僕は人生に"終わり"を付けた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。