―記憶屋さんにて―
店員「えーっとつまり、こういう事ですね?」
店員は私のややこしい説明を分かりやすく紙に書いてくれた
すとぷり→あなたさんの記憶を消し、今までの思い出も全て消す
あいすくりーむ→すとぷりとの出来事を全て消す
すとぷりすなー→あいす、あいすくりーむとの出来事を全て消す
その他あなたさんを知っている人→あなたさんとの、思い出、記憶を消す
あなたさん→
店員「で、合っていますか?」
店員「あなたさんの記憶はどうされますか?」
店員「では、こうですね」
すとぷり→あなたさんの記憶を全て消し、今までの記憶も消す。尚、あいすの存在も消す。
あいすくりーむ→すとぷりとの出来事を全て消す。あいすの記憶も消す。
すとぷりすなー→あいす、あいすくりーむとの出来事を全て消す。尚、あいす、あいすくりーむの記憶も消す。
その他あなたさんの事を知っている人→あなたさんとの思い出、記憶を消す。
あなたさん→歌い手をやっていたこと、すとぷりとの思い出を消す。
店員「この事を知っているのは、この世界で“私だけ”になります」
店員「そして、記憶を消すともう元には戻れません」
店員「それでも、本当によろしいですか?」
皆から見たら、逃げてるように見えるかな
いや、まず私の事すら記憶にないんだから違うか
あいすくりーむの皆には悪いことをしたな…
本当に歌い手は楽しかった
多分、人生で1番幸せだったな
そして、すとぷりとの思い出も消したくない。
でも……残していたら、きっとまた…辛くなっちゃうから……
すとぷりとの時間は凄く短かったけど、凄く凄く楽しかった
店員「では、目を瞑ってください」
店員「もう大丈夫ですよ」
店員「明日の朝には、この表の通りの記憶になっています」
店員「それと……この事は誰にも言ってはいけませんよ?」
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!