ガラガラッ
まだHRまで時間あるから寝よっかな……
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「あなたちゃんさー、調子乗ってるでしょ?」
「自分の顔が可愛いからって、男子にチヤホヤされてさー、ムカつくんだよ」
『え………?』
「シュッ(あんまお前の事嫌いでは無いけど、○○くんに近付いたあんたが悪い)」
『な、何してんの?!』
「いいから、これ持って(この後私が叫べば……カッターキャーが上手くいくわ)」
『い、嫌……』
「持てっつってんだろ?!」
『ビクッは、はいスッ』
「キャーーー!!」
「なんか悲鳴聞こえたけd…は?(あなた……?なんで……?俺の幼馴染みの事を切ったのか………?あなたの事好きだけど…、大切な幼馴染み傷付けるなんて…見損なったわ)」
「△△ちゃん……?なんで…腕切られてんの…?」
「な、なんか……急にこの……グスッ教室に呼ばれて……そしたら……切られて………グスッ」
「あなたちゃん意味わかんないよ…(あなたちゃんは、そんな事する子じゃないよね…?)」
『私……切ってない……』
「は?この状況でお前が悪くない訳ないだろ?(ちょっと顔は良いけど性格が悪いんじゃなぁ…)」
「△△ちゃん、とりあえず保健室行こ…」
「(あなたちゃんの事これから無視しよっかなー)」
『な、んで………グスッ』
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もうこれ以上、大切な人を失いたくない
人は目に見える物しか、信じない
だから、どんなに私が大切だと思っていても
相手から私がどう見えているかで
私への気持ちは変わってしまう
私は今、大切な人は居ないと思っている
でも、心のどこかでは分かっている
彼らが“大切な人”になっている事に。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。