第35話

狙われたひめがみん
989
2021/02/07 05:57
夜遅く…みんなと分かれて…
クミ視点


季節はまだ夏だけど、夜風が心地よく、決して過ごしにくくはない時間を大好きな仲間と一緒にいた。

時間は7時。
夕日はもう見えなくなり、あたりには星々や月が私たちのことを見守っているかのように光っている。

そして、この楽しい時間の終わりを告げるように…光っていたようにも見える…。
赤城 とも【とも】
赤城 とも【とも】
とりあえずお疲れ様!
水沢 わと【wato】
水沢 わと【wato】
今ここで揃わなかったものってなんやったっけ?
茶野 あみ【あちゃみ】
茶野 あみ【あちゃみ】
あたしの帽子!
鳥山 実【よっぴー】
鳥山 実【よっぴー】
俺の和服の部分っすね。
桃野 空【ソーラ】
桃野 空【ソーラ】
お花の髪飾り…はあったけど手作りしたいです!
黒田 くみ【クミ】
黒田 くみ【クミ】
私の黒い上着
赤城 とも【とも】
赤城 とも【とも】
ちょっと俺と似てるとこあるよな、クミのスキンって
黒田 くみ【クミ】
黒田 くみ【クミ】
確かに…
水沢 わと【wato】
水沢 わと【wato】
後は?もうみんなある?
あかがみん
あかがみん
あるー!
茶野 あみ【あちゃみ】
茶野 あみ【あちゃみ】
じゃあ今回見つかんなかったのは、ひめがみんで作っておくね!
桃野 空【ソーラ】
桃野 空【ソーラ】
後日、採寸とかするのでよろしくお願いしますね!
藍沢 明空【アイク】
藍沢 明空【アイク】
すごいなぁ…。
黄田 あつひろ【バステン】
黄田 あつひろ【バステン】
家庭科できる人羨ましい…。
赤城 とも【とも】
赤城 とも【とも】
俺は料理だけだからなぁ…。
茶野 あみ【あちゃみ】
茶野 あみ【あちゃみ】
逆にあたしは裁縫だけだからw
鳥山 実【よっぴー】
鳥山 実【よっぴー】
まぁ、とりあえず…
時間も遅いし解散しましょ。
赤城 とも【とも】
赤城 とも【とも】
今日は撮影なしだね。
それで、明日はスタジオ予約してるから、早速ダイヤモンドの練習しよう!
赤城 とも【とも】
赤城 とも【とも】
場所はLINEにリンク貼っとく!
あかがみん
あかがみん
はーい!
黒田 くみ【クミ】
黒田 くみ【クミ】
日常組も来る?
天乃絵斗【ぺいんと】
天乃絵斗【ぺいんと】
明日…みんな平気?
虎本 太蔵【トラゾー】
虎本 太蔵【トラゾー】
大丈夫〜!
猫宮 空希【クロノア】
猫宮 空希【クロノア】
俺も平気!
神野 翔【死神】
神野 翔【死神】
僕も大丈夫です!
天乃絵斗【ぺいんと】
天乃絵斗【ぺいんと】
じゃあ明日一緒に行くわ。
水沢 わと【wato】
水沢 わと【wato】
了解!
赤城 とも【とも】
赤城 とも【とも】
詳しい時間とかは後で連絡入れるね!
赤城 とも【とも】
赤城 とも【とも】
そんじゃあ解散!
水沢 わと【wato】
水沢 わと【wato】
アイクさん、帰るぞー!
グィッ…
藍沢 明空【アイク】
藍沢 明空【アイク】
うわっ!
ちょっと引っ張んないで!
水沢 わと【wato】
水沢 わと【wato】
じゃあねー!みんなー!
藍沢 明空【アイク】
藍沢 明空【アイク】
ま、また明日ぁ〜w
タッタッタ…
黄田 あつひろ【バステン】
黄田 あつひろ【バステン】
アイクさんは大変ですねw
鳥山 実【よっぴー】
鳥山 実【よっぴー】
他人事だなぁw
天乃絵斗【ぺいんと】
天乃絵斗【ぺいんと】
俺らも帰ろ!
赤城 とも【とも】
赤城 とも【とも】
だな!
こういい、
とも、鳥ちゃん、バッちゃん、ぺいんとさんが帰路についた。

トラゾーさんとクロノアさんも続いていき、私たちも帰ろうとしていた。
桃野 空【ソーラ】
桃野 空【ソーラ】
帰りましょ!
もう疲れてしまったw
ぐぅぅぅ〜
茶野 あみ【あちゃみ】
茶野 あみ【あちゃみ】
すごいお腹なったなぁw
神野 翔【死神】
神野 翔【死神】
ぼくですぅ…w
黒田 くみ【クミ】
黒田 くみ【クミ】
なんか食べて帰ろう!
神野 翔【死神】
神野 翔【死神】
やったぁ!!
しにがみくんはそりゃもう限界だったようで、普通に2人前くらいの量を食べていましたw

ゆーて私もかなり食べたw
大盛りポテトは絶対食べなきゃw

しにがみくんと争奪戦繰り広げてたよねw
全員
ごちそうさまでした!
桃野 空【ソーラ】
桃野 空【ソーラ】
誰払います?
黒田 くみ【クミ】
黒田 くみ【クミ】
じゃあ私払ってくるね。
茶野 あみ【あちゃみ】
茶野 あみ【あちゃみ】
じゃあ先にお金渡しちゃうよ。
黒田 くみ【クミ】
黒田 くみ【クミ】
あ、はーい。
神野 翔【死神】
神野 翔【死神】
ゲッ!
茶野 あみ【あちゃみ】
茶野 あみ【あちゃみ】
なした?
神野 翔【死神】
神野 翔【死神】
食べ過ぎて、僕だけ1100円とかいう桁違いな数字出してるんですけど…w
ちなみに、近くのファミレスに入った。
学生にも優しい値段のものばかりなのに、食べる量が多けりゃ、値段も弾むよねw
黒田 くみ【クミ】
黒田 くみ【クミ】
しかも、しにがみくん。大盛りポテトは4人で割り勘だよ?
神野 翔【死神】
神野 翔【死神】
1200円になった…w
桃野 空【ソーラ】
桃野 空【ソーラ】
ww
茶野 あみ【あちゃみ】
茶野 あみ【あちゃみ】
まぁ、そんなこともあるってw
黒田 くみ【クミ】
黒田 くみ【クミ】
後で徴収しまーすw
神野 翔【死神】
神野 翔【死神】
うぅ…働かないと…w
お会計…すごい値段いったんだけど…。
店員さんにびっくりされたよw

おかしいな…。
あちゃみさんとソーラさんはそんなに食べてなかったのに…。

私としにがみくんかなw
私も人のこと言えなかったんだなぁw
店員『ありがとうございました〜』
茶野 あみ【あちゃみ】
茶野 あみ【あちゃみ】
ひゃあー、食べた食べた!
桃野 空【ソーラ】
桃野 空【ソーラ】
美味しかったね!
黒田 くみ【クミ】
黒田 くみ【クミ】
ファミレスもたまにはいいね。
神野 翔【死神】
神野 翔【死神】
お財布が…寒い…。
桃野 空【ソーラ】
桃野 空【ソーラ】
そのうちいいことあるって…w
私たちはそんな話をしながら、
自宅へと足を進めていた。

そして大通りを抜けて、最後の暗い道。

あの一件と今日のことで正直怖い。

走ればいいんだけどさ、あの速さにしにがみくんがついてこれるとは考えにくいんだよね…失礼なんだけどさ…。

運動苦手って言ってたし…。
茶野 あみ【あちゃみ】
茶野 あみ【あちゃみ】
ここの通りだとさ、星がよく見えるよね〜!
神野 翔【死神】
神野 翔【死神】
確かに大通りの灯りがないから綺麗にみえる!
桃野 空【ソーラ】
桃野 空【ソーラ】
天然のプラネタリウムだね!
黒田 くみ【クミ】
黒田 くみ【クミ】
またベランダからみんなでみる?
茶野 あみ【あちゃみ】
茶野 あみ【あちゃみ】
いいねぇ!
他愛のない会話、
ずっとこれが続けばいいのにね…。

この平和が壊れるときは、
必ず誰かが犠牲になる…。
茶野 あみ【あちゃみ】
茶野 あみ【あちゃみ】
うわっ!
桃野 空【ソーラ】
桃野 空【ソーラ】
あちゃみさん?
黒田 くみ【クミ】
黒田 くみ【クミ】
!!
ちょっと遅れて歩いていたあちゃみさんが姿を消していた。

そして同時に目に入ったのは、
猛スピードで走る2つの影。

やられた!
私はすぐに気づいた。

転んだとかそういうレベルじゃない。


あちゃみさんが連れ去られてる…!

でもなんでだ?
推測するに狙いはソーラさんだったはず…。
黒田 くみ【クミ】
黒田 くみ【クミ】
待て!!
今はとにかく走って走った。
私は全力で2人に近づいた。

マイクラで鍛えた足は今も残ってる。

現実にいる人間なんて比にならないくらいの速さをもってんだから…。

そして、逃げられないように、
2人を追い抜かして、前に立った。
???
な…!
茶野 あみ【あちゃみ】
茶野 あみ【あちゃみ】
…クミ…さん…。
黒田 くみ【クミ】
黒田 くみ【クミ】
あみを離せ。
???
せっかく見つかったものを手放せだと?そんなことできるわけないじゃんか。
黒田 くみ【クミ】
黒田 くみ【クミ】
じゃあ力づくで取り返すまでだよ。
後ろには異変に気づいたソーラさんも来てる。というか追いついた。

私の隣にいる。

しにがみくんは多分、
もう少しかかるだろうね…。
???
お前らがその気ならこっちにも考えがあるさ。
桃野 空【ソーラ】
桃野 空【ソーラ】
ふーん…なに?
いつものおっとりした雰囲気とは別で…。

見たこともないような怒り、殺気を放って言った言葉は、空気を凍りつけるようで。

私も味方ながら怖いと思ってしまった。
???
お前だ、桃野空。
お前がこっちに来ればこいつは解放する。来なければ交渉決裂、こいつは殺す。
黒田 くみ【クミ】
黒田 くみ【クミ】
やっぱり…。
ソーラさんを狙っていた。

ソーラさんは優しい人だ。
前に言ってた。

マイクラの世界で起きたようなことがまたあったら、命を投げ出してもみんなを守るって。

あの時は守られてばかりだったからって…。

きっと、ソーラさんはあちゃみさんのことを優先するだろう。

でも、こいつらの思うままにすれば、
ソーラさんは無事では済まない…!

何か…何か手を出さなきゃ…!
桃野 空【ソーラ】
桃野 空【ソーラ】
私がそっちに行けば、あみさんには何もしない?
???
約束しよう。
待ってよソーラさん…。

ソーラさんがそっちにいったら…
無事で帰れるかわかんないんだよ?


くそ…!
こういう時に何にもできない無力さに腹が立つ…。仲間1人救えないくらい、私は弱い…。


私は拳を握りしめた。
どうしようもない怒り、後悔が心の中いっぱいにあった。

黒田 くみ【クミ】
黒田 くみ【クミ】
うっ…
なんだろう…急に身体が重い…。



私はその場で膝をついてしまった。

立っていられないほどの強い吐き気、頭痛、目の前が歪んでる…。

こんな時に、情けない…。

でも、この感じ…どこかで…?
桃野 空【ソーラ】
桃野 空【ソーラ】
クミさん!?
大丈夫…?
黒田 くみ【クミ】
黒田 くみ【クミ】
うん…なんとか…。
そうだ…。

この感じ、初めてマイクラの世界で魔法が使えた時の感覚…。

初めは身体に追いつけてなくて、1つ使うのでさえ大変だった…。


私は拳を握りしめた方の手を見た。

信じられない光景だった。


微かに手が黒い光を放っている。
マイクラの時の水晶の色…。

私は確証した。

今なら魔法が使える…。

あちゃみさんを助けて、
ここから立ち去ってしまえば…!
黒田 くみ【クミ】
黒田 くみ【クミ】
ソーラさん…
桃野 空【ソーラ】
桃野 空【ソーラ】
どしたの?
黒田 くみ【クミ】
黒田 くみ【クミ】
あちゃみさん、奪って逃げるから準備しといて
桃野 空【ソーラ】
桃野 空【ソーラ】
わかった。
桃野 空【ソーラ】
桃野 空【ソーラ】
とりあえず私がそっちに行くから、あみさん離して。
???
いいだろう。
逃げるなよ?
黒田 くみ【クミ】
黒田 くみ【クミ】
誰が逃げるか。
大事な仲間残して。
ソーラさんは2人に近づいた。

逃げられないように腕を掴まれている。
私が失敗すれば、ソーラさんは逃げられなくなる…。落ち着いて…狙え…。
???
ちゃんと来たな。
???
ほら、戻れよ。
茶野 あみ【あちゃみ】
茶野 あみ【あちゃみ】
わっ…
黒田 くみ【クミ】
黒田 くみ【クミ】
あみさん、後ろにいて。
桃野 空【ソーラ】
桃野 空【ソーラ】
コクコク
今…!

行け私!
黒田 くみ【クミ】
黒田 くみ【クミ】
『光鎖闇縄!』
グィィッ…

魔法を2人の足元に飛ばして、
縄状にして、強く締め付けた。

拳を強く握り、その力をもっと強くする。

痛さと訳のわからなさできっと手を掴む力は弱まる。そこでソーラさんには抜け出してもらう!

きっとうまくいく…。
やれ!私!
???
痛っ!何だこれ!?
???
くっそ…取れねぇ!
黒田 くみ【クミ】
黒田 くみ【クミ】
ぐうぅう!!
魔法も魔力も小さく弱い。

私自身の力でそれをカバーしなければ長くは持たない…!

早く…早く逃げてソーラさん!!
パシンッ…!


大きく手を払った音!
ソーラさんは手を振り解いてあの2人から離れていた。

これほどまでのチャンスはない!
黒田 くみ【クミ】
黒田 くみ【クミ】
走って…!!
茶野 あみ【あちゃみ】
茶野 あみ【あちゃみ】
ソーラさん早く!
???
あぁ、くそ!
待て!
追いかけてきた…。
でも、甘い…!

その鎖はね、痛いだけじゃなくて重いんだよね。私が力を込めるほど、その鎖は力を強くする。

走っていくと、
こちらへ向かってくるしにがみくんが見えた

肩で息をしていて、
疲弊しているのが見て取れた。
神野 翔【死神】
神野 翔【死神】
うぇ!?
な、なに!?
茶野 あみ【あちゃみ】
茶野 あみ【あちゃみ】
しにー!走って!
神野 翔【死神】
神野 翔【死神】
えっ!?
ま、待って!!
走ってるけど、遅くない!?

いや、うちらが速いんだ…。

ソーラさんが、
しにがみ君の手を引っ張って走る。

私たちの走る速さに追いかけてる方もしにがみくんも驚きを隠せていない。

マンションまで大体500メートルほどあった道は1分程で走り切ってしまった。

流石にもう追いかけて来ないだろう。
桃野 空【ソーラ】
桃野 空【ソーラ】
もう平気かな…。
茶野 あみ【あちゃみ】
茶野 あみ【あちゃみ】
早くマンションの中入ろう!入っちゃえばこっちのもんだよ!
神野 翔【死神】
神野 翔【死神】
ひぃ…ひぃ…。
待って…!
黒田 くみ【クミ】
黒田 くみ【クミ】
だ、大丈夫?
神野 翔【死神】
神野 翔【死神】
お腹痛い…。
そのままマンションに入って、
エレベーターに乗り込んだ。

あんなことがあったが、
ようやく物事の大変さを知った。

冷静になれば、恐ろしい場に着面していた。

確実に分かったのは、
また来る可能性が大。
ソーラさん狙い。

であること。

これからどうしようかな…。
黒田 くみ【クミ】
黒田 くみ【クミ】
ふぅ…ふぅ…
茶野 あみ【あちゃみ】
茶野 あみ【あちゃみ】
クミさん…大丈夫?
黒田 くみ【クミ】
黒田 くみ【クミ】
…ダメかも。
神野 翔【死神】
神野 翔【死神】
顔色悪いですよ…?
桃野 空【ソーラ】
桃野 空【ソーラ】
今は4人で固まっていよう。
1人になると危険…。
茶野 あみ【あちゃみ】
茶野 あみ【あちゃみ】
そうだね。
あたしの部屋来なよ。
黒田 くみ【クミ】
黒田 くみ【クミ】
…わかった。
実を言うと、私は結構やばい。

今喋れているのが奇跡に近い。


正直、魔力とかが存在しないこの世界で無理矢理こんなの使ったら、そりゃ、倒れそうなくらいにもなる。

マイクラの世界はあくまでもゲームだからできたんだ。現実とは訳が違う。
黒田 くみ【クミ】
黒田 くみ【クミ】
もう…ダメだ…。
バタッ…
エレベーターから降りてすぐ、私は倒れた。
桃野 空【ソーラ】
桃野 空【ソーラ】
クミさん!!
茶野 あみ【あちゃみ】
茶野 あみ【あちゃみ】
救急車…!
黒田 くみ【クミ】
黒田 くみ【クミ】
…大丈夫。呼ばなくて平気…。
黒田 くみ【クミ】
黒田 くみ【クミ】
多分…魔力切れ…
神野 翔【死神】
神野 翔【死神】
え…?
私はそこで意識を手放した。



to be continued…
作者
ひめがみんたちに忍び寄る手は何者なのか。そしてなぜクミさんは魔法が使えたのか…?
作者
謎は深まるばかりです!
作者
次回の更新をお楽しみに!
作者
それでは
ばいなつ!

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