第60話

60 🐰
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2021/11/13 07:41




玄関であなたを抱き上げてそのままリビングに入って、あなたが作ってくれたご飯を食べている時もお互いの肩があたる程の距離で隣り合わせに座って、あまつさえあなたがキッチンで使った食器を洗っている時も背中から抱きついてと家に来てからずっと離れない僕にあなたは少し呆れている。でも呆れはしても決して離れてとは言わないから、それがたまらなく嬉しくて緩んだ口元が元に戻らない。
朝は行ってらっしゃいと見送ってもらって仕事が終わったらご飯を作って待っている彼女の元に帰って来る、なんて本当にあなたと同棲しているみたいだ。味に不安があると言っていた料理も充分美味しかったし、ほんとあなたって自分が理想とする人を具現化したような存在だと思う。彼女を知ってしまったら他の人なんてどれだけ可愛い人だったとしても目にも入らないし考えにも至らないや。僕はこの子がいい、この子じゃないと無理。
あなた
あなた
あ、そろそろお風呂入ってきます?
ジョングク
ジョングク
あなたも一緒に?
あなた
あなた
ぺちんしましょうか?頬っぺ
ジョングク
ジョングク
ぺちんさせたら入ってくれる?
あなた
あなた
げんこつにします?
ジョングク
ジョングク
げんこつは痛いㅋㅋㅋ
あなた
あなた
もう、馬鹿な事を言ってないで早く入ってきて下さい!
って、そうだ。着替えどうします?私ので良ければオーバーサイズの服もありますし、着れない事はないと思いますが…
ジョングク
ジョングク
あ、それなら事務所で寝泊りする事もあるからそれ用に置いておいたリカバリーウェア持ってきたから大丈夫!
あなた
あなた
用意周到ですねㅎㅎ
なら良かった。じゃ、ゆっくり入って来て下さいねー
ジョングク
ジョングク
一緒に入る?ㅎㅎ
あなた
あなた
なる程、げんこつですね?
ジョングク
ジョングク
ごめんってㅋㅋㅋ
洗い物を終えたあなたに引っ付いたままリビングで一緒にソファーに座ってテレビを見たり、この曲良いんだよーなんて言って動画を見たりしていたら、そろそろお風呂に入って来ますか?とあなたに促された。そこでワンチャンあれば良いなと願いを込めて一緒に入る?なんて言ってみれば答えは勿論ダメで。げんこつは笑う。
名残惜しいけどあなたから離れて先ほど案内されたサニタリールームに入ったら、服を脱いでいる時にふと鏡に映った自分の幸せで緩み切った顔を見て笑ってしまう。こんな緩み切った幸せそうな顔をしてあなたと一緒にいたんだ…と、少し照れてしまう。でも仕方ないだろ、好きでたまらない人と同じ空間で一緒にいるんだから。

バスルームに入ると彼女のシャンプーの匂いがして急激に恥ずかしくなった。これはやばい、中々にくるものがある…
ジョングク
ジョングク
( 今からあなたと同じ香りになって一緒に寝るんだよな… )
抱きしめるのとキス以外はしないって約束をしたんだから、今回はちゃんと約束を守れよ自分。そう必死に自分の理性に言い聞かせながら体を清めてお風呂を後にした。本当にダメだからなチョンジョングク、欲望に負けるとあの子に嫌われるかもしれないんだぞ。







ジョングク
ジョングク
お風呂ご馳走様でしたー
あなた
あなた
お粗末様ですㅎㅎ
ドライヤー此処に置いておきますから乾かして下さいね
ジョングク
ジョングク
ねえあなたちゃん。
一つ我儘言っても良い?
あなた
あなた
……何ですか?
ジョングク
ジョングク
その怪しんだ目つきやめてㅋㅋ
ただ僕の髪をあなたに乾かして欲しいなーって思ってㅎㅎ
あなた
あなた
子どもですかㅎㅎ
そんな我儘なら全然良いですよ。ほら、此処に座って下さい
ジョングク
ジョングク
優しくしてね?
あなた
あなた
乱暴にされるのをご所望で?
ジョングク
ジョングク
手厳しいㅋㅋㅋ
とまあそんな冗談はさておき、髪の毛お願いしますねあなたさんㅎㅎ
あなた
あなた
はいはいㅎㅎ
大人しく座ってて下さいねー

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