第301話

愛が故に
7,794
2020/11/04 14:09



佐久間side



















宮舘「佐久間、ご飯食べれる?」


『ごめん、食欲ない』


宮舘「そっか、なんでもいいから少しは食べてね」


『うん、』


































テレビを見てもスマホを見ても


あなたが刺されたことが目に入ってくる


食事も喉を通らなくて食べれない


昨日の夜からニュースでやってたのを見た


先輩や後輩、友達からも連絡がきたけど


読む気力も無く未読無視してますごめんなさい


そこも多分わかってくれてると思う


どうやっても仕事はあるし


重い体を動かして支度を始めた


今日はあなたの病院に泊まるから荷物まとめて、、


俺、今日笑えるのかな


































秋原「仕事行くぞ」


岩本「ん、」


秋原「あなたの所には琴乃がもう行ってるから」


ラウール「あなたちゃん、、」


阿部「、、、よし、気持ち切り替えて行こっか」


向井「そうやんな、いつまでもうじうじしてられん」


深澤「あなたの分空けておこう」


宮舘「ここにいるんだよってね」


秋原「ほら車乗って行くぞ」


































いつもあなたがやってるみたいに


思いっきり頬を叩いて気合を入れた


頑張らなきゃ、笑わなきゃ、守らなきゃ


無理矢理気持ちを切り替えて仕事に向かった


たまたまSixTONESと現場が被ってて


みんな後でお見舞いに来てくれるって


出来るだけ早く仕事を終わらせて病室へ行くと


一目でお見舞いに来てくれたとわかるぐらい


フルーツやあなたの好きなお菓子が沢山あった


でも相変わらずあなたは動く気配すらない


































冬木「皆さんお疲れ様です」


『琴乃ちゃんありがとうね』


冬木「いえ、今日色んな方が
お見舞いに来て下さりました」


阿部「よかったね、あなた」


ラウール「あなたちゃん、今日は雑誌の撮影だったよ」


渡辺「スタッフさんみんな心配してた」


宮舘「あなたの分ちゃんと空いてるからね」


深澤「あなたの好きなお菓子買ってきたから」


岩本「腹減ったら食えよ」


目黒「あなたの分はみんなでカバーするからね」


向井「だからといって起きひんのはなしやで?」



































もちろん返事なんてない


ただひたすら俺らが話しかけるだけ


何も話さないよりはいいと信じてる


暫く話してるとあなたの担当医の方が来たけど


表情は固くて話す内容は良くなさそうで怖かった

































医師「雪風さんの数値に変化はありません。
ほとんどないと思われますが、
万が一という場合も考えられます。
雪風さんは最近どのような生活を送ってましたか?」


阿部「日によってバラつきはありますが、
朝は5時には起きてました。それから直ぐに仕事で、
帰宅は深夜1時から2時。やることを終えて寝るのは
3時すぎが殆どでした。」


『睡眠時間は1時間半か多くて3時間程で
滝沢歌舞伎の撮影などがあったのでかなり疲れてると
思います。この生活が2ヶ月ぐらい続いてるはず。』


医師「それでは睡眠不足が深刻ですね。
ありがとうございます。こちらも出来る限りの事は
行いますが、後は雪風さん次第です。」


ラウール「あ、あの、その、、
傷って綺麗になくなりますよね、、?」


医師「綺麗にとは言い切れませんが
ほとんど残らないと思います」


ラウール「そうですか、」


岩本「あなたをよろしくお願いします」


医師「では失礼します」


深澤「ありがとうございます」


冬木「、、、私、仕事させすぎましたかね、」


渡辺「あなたはなんか言ってた?」


冬木「スケジュールぎゅうぎゅうに詰め込んでほしい
その方が嬉しいし安心できるって」


宮舘「琴乃ちゃんは何も悪くないよ」


冬木「でももう少し寝る時間があれば
すぐに起きたかもしれないじゃないですか」


秋原「琴乃は悪くない、あなたも悪くない」


目黒「ほんとあなたと琴乃さんって双子っすね」


向井「そっくりというより完全一致やで」


深澤「今日佐久間泊まるんでしょ?」


『うん』


冬木「あなたをお願いします」


岩本「ちゃんと寝ろよ
今日も寝てないんだろうから」


『うん』


冬木「あなたまた明日ね、」


秋原「朝迎えに来るから」


『ん、分かった』


































みんなが帰って病室が静かになった


そっとおでこを撫でてるとお腹の傷が気になって


でも見たくなくて、っていう葛藤にかられ


結局少しだけ覗いてみることにした


布団とパジャマを捲るとお腹には


痛々しい傷が左右対称に2箇所


これほんとに綺麗になくなるの?


ごめんね、痛かったよね、、、


俺がもっと早くあなたのところに行ってたら、、、


もっと早く手紙に気づいてたら、、、


なんて後悔ばかりが募っていく


そんな事ばっかり考えてたら涙が出てきて


静かな病室の中で声を押し殺して泣いた


いつの間にか眠っていたらしく、気づけば朝だった


ほんとはずっと隣にいたいけどお迎えが来て


またおでこを撫でて仕事に向かった


今日もあなたの分まで頑張ってくるから


あなたも早く戻ってきてよ


































お気に入り2100ありがとうございます!!


お久しぶりすぎて忘れ去られてないですかね、


かなりの亀更新ですが頑張って書いていきます!


















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